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ミニキャラデーモンでいいっしょ

 僕はみぞおち部分に右手を触れ、『吐き戻し』と唱えた。すると触れている部分が波打ち、右手は僕の中にゆっくり入っていった。しかしそれを邪魔するように大量の銃弾が降り注いだ。僕はそれを軽快にかわし、裸足のまま庭に出た。



「現当主の末子まっしか…第二子がいたはずだが、逃げられたか。」



 そう言いながら羽の生えた悪魔は姿を現した。その手には先ほど僕に浴びせた銃弾を放ったであろう「MP18」があった。持っている銃は避けれるがかなり危険であり、武器無しの状態では少々キツイ。だが、それ以上に思ったことがあるので僕はかなりイライラしていた。



「おい、お前。」


「何だ、末子まっしよ。我は暇でないのだ。」


「…なんでこんな大事なシーンのときに邪魔をするんだよ!」



 僕がそう言うと悪魔は目を点にして、首を傾げた。というか言ったことの意味がわからないようで、姿がミニキャラみたいになってた。あとあれだ。名前が全然わからないし、『ミニキャラデーモン』と呼ぶとするか。ということはまあ置いといて、僕は『ミニキャラデーモン』に左手で指を差して言った。まだ右手がお腹の中に入ってるから、左手オンリーでお願いね☆



「あのねえ!これは十八番なの!!わかるでしょ!?『プリ●ュア』や『仮面●イダー』の変身シーンや必殺技シーンでもご丁寧に敵は待ってるでしょ!?今もそれと同じなのなんでわかんないのかなぁ!?それが理解できないとか、敵として失格よ!!!」



 『ミニキャラデーモン』は口をポカーーンと開けて、更にアホみたいな顔になった。でも流石に少し経てば冷静になったようで、顔を何度かブルブル振って普通の悪魔になった。でも名前知らんから『ミニキャラデーモン』でいいか。



「貴様、戦いを舐めているのか!そんなおかしなルールが通用すると思って…」


「いるにきまってんだろうが!お前こそ見たことあんのかよ!『ミニキャラデーモン』さんよぉ!」


「な!誰が『ミニキャラデーモン』だ!我に名はないが『伯爵』という称号があるのだ。せめて『伯爵』と呼べ!!」



 あーはいはい『伯爵』ね、『伯爵』。こうやってやりとりすると中級からその下は皆、自分の階級言ってくれるから助かるわ。でもちゃんと思ってること言ってるから別にいいよね?



「『伯爵』だが『白菜』だが知らないが、『ミニキャラデーモン』のお前はちゃんと『プリ●ュア』や『仮面●イダー』知ってんのかよ!?」


「知らんわ!というかする必要も無かろうが!!」


「えぇ…………。寂しい生を謳歌おうかしてるんだな…」


「我の人生を勝手に決めるでない!!」



 ミニキャラデーモンが『プリ●ュア』や『仮面●イダー』を知らないなら僕の大事なシーンを邪魔してもおかしくないね、うんうん。僕は勝手に1人で解釈した。

 んでもって、そろそろお腹に突っ込んでいる右手にお望みのものが見つかったので、キレて息切れしてる『ミニキャラデーモン』そっちのけで勢いよく武器を抜き取った。


 デザインはとてもシンプル。黒い真っ直ぐな棒の先端に大きな刃が付いている、まるで死神が使うような『大鎌』を取り出した。



「なんだその武器は。効率が悪くてそれでは我に傷一つつけることも出来ぬだろう」



 『ミニキャラデーモン』は勝ちを確認したようにクスクスと笑いながら、僕が飲み込んだ武器の素材で作り上げた『大鎌』を見ていた。



「あのねぇ。戦いには力も技術も真剣さも必要だけどそれ以上に、『浪漫ロマン』っていうのも大事でしょ。」



『大鎌』の先端で『ミニキャラデーモン』を指した

なにも言わずとも、戦いを経験した2人にスタートの合図は要らなかった。

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