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武器食人  作者: 水卜 三度寝
第二章
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ジャーマンスープレックスって、後半をポテトに変えたら美味しそうになるね

 体を覆っていた気持ち悪いのが取れて、外から流れる心地よい風が来夢の頬を撫でた。



「んー、気持ちいいね。」


「はい、絶好のお洗濯日和ですわ♪」


「あとでお布団洗ってもらっていい?」


「もちろんですわ♪ベルの腕の見せどころですの、真っ黒から真っ白にして差し上げますわ♪」



 仕事を与えられて嬉しいのか、ベルはチャリンと景気のよい音を鳴らした。食堂までの道のりで普段とは違うものがあった。お姉ちゃんが愛銃を持っていた。



「おはよ、お姉ちゃん。」


「ん?おはよー、大分寝たねーこれからご飯?」


「うんそう、お姉ちゃんは?」


「アイツらの稽古だよ。予定が合ったから試運転も兼ねてね。」



 アイツらと言うのは、黒澤、赤木、茶野の3人だろう。自分がいない話し合いがあったことに、少しモヤッとしたが、彼らのことを来夢は猛烈に知りたかった。



「お姉ちゃん。その稽古、見ていてもいい?」



 若干あざといと思いながら、人差し指同士をくっつけながら懇願した。すると、怜夢は左手を来夢の頭に乗せ、髪がぐちゃぐちゃにならないよう、優しくゆっくり撫でてくれた。



「もちろんいいよ」


「やった!ベル、ご飯は稽古場に持ってきて!」


「えぇ~!…かしこまりましたぁ…♪」



 お姉ちゃんは他愛のない話をしながら、稽古場まで僕の歩幅に合わせて歩いてくれた。足音と一緒に鳴る愛銃の音が酷く安心する。



「ほら、うるさくなるからちゃんと付けな。」



 僕が首に掛けていたイヤーマフを指差す。本当にこの姉はいつまで経っても優しいと思う限りだ。言われた通りに装着すると、お姉ちゃんの話し声以外は聞こえなくなった。

 入口の扉を開くと、弾丸のような速度で何が来夢に向かって放たれた。あと少しで直撃、というところでそれは怜夢の手によって阻まれた。



「これは、チェスの駒?」



 そう飛ばされたのは、黒色のポーンだった。飛んできた方向をみると、『新星』を持った黒澤がジャーマンスープレックスを決めたような姿になっていた。


「黒澤さん大丈夫ですか?」


「反動があまりにもデカくてナ!また年甲斐も無く腰をやってしまうところだったゾ!」


「なーにやってんだよ、うちの妹に当たったらどうすんだ。次はないからっね!」



 もう少しで起き上がりそうな黒澤に目掛けて、大きく振りかぶり、ポーンを投げ飛ばした。



「いった!」


「ストライク!バッターアウッツ!」



 顔面直撃の黒澤。ノリノリで赤木はカウントを取るのであった。

【今日のグリストーリー】

 怜夢は近くにいると、棺桶から出てきたような防腐剤の匂いがする。パートナーが葬式関係の人だから匂いが着くとよく言っている。

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