未熟な母親
なんかツイッター復活しましたー
てなわけで、両方のアカウントで活動していきます!
「そうでしたそうでした!リトルマザー、お食事に致しましょう♪」
ミスベルがパンっ!と手を叩く。すると頭の上にお皿を乗せた『オクターブラム』たちが足を揃えて行進してくる。まるで某モンスターゲット系アニメの黄色ネズミの行進だった。
なにコの子らかわいいー♡
そう思いながら俯いて8人の後ろを歩いた。歩くたびに鳴るハンドベルのような音がとても可愛らしかった。
オクターブラムたちが足を止めた。彼らの前には、怜夢が仁王立ちをしていた。
「へいへーい可愛い子ちゃんたち〜?これお客さん用のお料理かい?そしたらこれはアタシが貰っちゃうよ」
「リ…リン、!リン…!」
返してと言わんばかりにオクターブラムたちは飛び跳ねる。
「アイツらには、アタシが特別に作った料理を振る舞ってやるんだ。先に伝えなかったアタシも悪かったね。後ろの4人が持ってる『武器』は運んじゃっていいから。」
そう言い残した怜夢は、来夢たちが来た道を進んでいった。来夢たちも大広間に向かっていった。
「ねえ?オクターブラムちゃんたち?君たちは産まれて幸せ?僕が勝手に産んじゃったけど、もしかしたら人間になれてたかもなんだよね。
君たちさ、もう産まれて10年は経つよね?…ほぼ死ぬことがない、成長することがない、なんなら君たちは話すことができない体で産まれて…君たちは幸せなのかな……?」
ドの子の頭を撫でながら問いかける。体は震えず、ただ淡々と言葉を吐き出していた。喋れないことをいいことにこの子たちを利用していた。話しながら最低な母親だと感じた。
「あのときに僕が攫われなければ、お母さんもいなくならなかったのかな?
お父さんももっとお家に帰ってくるようになってたかな?
お姉ちゃんは教会に間に合っていたのかな?
お兄ちゃんはもっと普通な幸せを手に入れられていたのかな?
僕は、もっと…もっと…もっと。みんなのことを感じることができていたのかな?
…未熟な母親でごめんね。ミスベルねえちゃんには秘密だよ。あの子たち『プリンセスシリーズ』は僕のこととなると、少し周りが見えなくなっちゃうからね。」
まだ名前もつけていない概念と物質の境目に住んでいる子たちをよく撫でる。響き渡る音をよく聞いて覚えておくくらいしかできなかった。
「そのうち、いつになるか分からないけど、君たちに相応しい名前を考えるからね。返事をしてくれたら未熟な母親から少し成長できるかもね。」




