第2号は女たらしなので心配無用でした
尻もちをついて痛みが少し残っている箇所をさすっているとお兄ちゃんが僕の脇の下に手を突っ込んで持ち上げた。一瞬バランスを崩したが、すぐお兄ちゃんの肩に掴まると手を添えられてそのまま抱えられた。
お友達第2号はお兄ちゃんを見るとかなりびっくりしたようで僕の鼓膜が破れるくらいの大きな声をあげた
「え、えぇー!!!!もしかしてですけど、あなた『緑谷』さんっすか!?!?」
その言葉を聞いた瞬間、僕はお兄ちゃんの顔を両手で塞いだ
そう、今のお兄ちゃんは素顔だった
お兄ちゃんの素顔はかなりの美の暴力性を持っている
赤ちゃんのときはたまたまベビーカーに乗っていたお兄ちゃんを見た人がガチで誘拐。あと小学生のときは担任の先生に放課後呼び出しをくらって、空き教室で強姦…安心して大丈夫!
これらは全て未遂だし、お父さんが犯人にグーパン食らわせてるからね☆
そしてなにより、これら含め全てお兄ちゃんに卑猥な思いを抱いた人間は全員「男」。だからこの人間もお兄ちゃんに変なことしようとするに違いない!!!!!
やばい!どうしよう!!お母さぁーん!!お父さぁーん!
「うん、そう。あれ変装してたんよ」
焦る僕の手をお兄ちゃんは優しく退けて、2号に答えた。なに真面目に答えてんの!?爽やか〜に言ったお兄ちゃんはなんか半分諦めモードだった。
そんなお兄ちゃんの声を聞いて5秒くらいゔーんと声をあげて悩んだ2号は考えがまとまったのか、右手はグーで左手はパーで♪にしてわかったぞ〜と言いたげに手をポンと叩いた。
「そーなんっすね!にしても今まで大変だったんじゃないすか」
思ってたんと違う言葉がきて、僕はコミュ障ということを忘れて2号に話しかけてしまった
「それだけなの!?お兄ちゃんのことをああしたい、こうしたいだのないってわけ!?」
思わず口走ったが、まあまあやばいこと言ったなーと思った。だってその証拠にそれ聞いたお兄ちゃんは3秒くらい長く深くため息をこぼしているから。
…うん、ごめんって
「いやー確かに『緑谷』さんの今の姿は魅力的ですけど、すでにこの人の●●●見たからもうなんというか、雄の本能として負けてるからみたいになってしまって…それに僕は女の人が好みですから、『緑谷』さんよりもそれに抱えられている貴方のほうが気になりますねぇ〜♡」
そうやって2号が僕に変な視線を向けるとお兄ちゃんはまあまあ強めのチョップを頭に食らわせた
「あでっ!」
「俺の妹に手を出すなぁ…!」
アニメだと髪が逆立ち、後ろから赤黒いオーラで出るような怒りを見せたお兄ちゃんはもう一発かましてやろうといわんばかりに左手の握りこぶしを見せつけている
「お…お兄ちゃん…ちょっとストップストップ…」
「そうですよ、ただの冗談ですって!ジョークジョーク!」
僕らが落ち着くように促すとお兄ちゃんは息を整えて、戦闘態勢のこぶしを緩めて、僕の顔にかかっている髪を耳にかけてくれた。
「とりあえず、今はいいだろう。あと青井、お前俺の妹に挨拶しろよ」
「え、あぁ!はい!勿論ですって兄貴ぃ〜。始めまして、お嬢さん。僕は『青井』と申します、お兄さんとは高校の頃からの友人です。よろしくお願いします。
ところで…ラインとかやってます?よかったら交換しませんか?」
またお兄ちゃんは2号…改め『青井』さんにチョップを食らわせた
今日暇だったので上げてみました
また日曜日の25時くらいにあげます