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あのねママ聞いて

 実の母から放たれた拒絶に来夢は頭が真っ白になった。反射的に涙が流れ、頬を伝って地面に落ちる。すると、茶野がインクの壁を母に向かって投げつけた。



「我等の小さき母を泣かすなど、万事に値する!実母であろうとバトラーは許さない。」



 いきなり大きな声を出したせいか、額に血管を浮かばせている。しかし茶野の思いも虚しく、砲弾たちは黒曜石によって阻まれてしまった。辺りは破壊された砲弾の花畑となり、真っ白なスーツを着ていた母はとても映えていた。



「…ゔっ!はぁ…まさか来ていただけるなんて思いませんでしたぞ、王。」


「悪魔は命を大事にするからね、当たり前よ。でも今回はれいちゃんにも会えたし、面白いオモチャも見れて中々よかったわ。まあそろそろ行かないとあの人が来ちゃうから御暇しよう。」


「王の仰せのままに…」



 母の周りに浮いていた黒曜石が背中に集まり、コウモリのような羽根を形成する。羽根はどの悪魔よりも大きく、全てを魅了すると言っても過言ではなかった。



「じゃあね、れいちゃん。それからその他たち。来る日にまた会いましょう。」


「待って…お母さん…!いや!行かないで!お願いだから…お願い……」



 伸ばした手は風を切るだけだった。



「大丈夫だよ、お姉ちゃんがいるからね。…任務は終了だ。各員、帰還の準備だ。」


「「「了解。」」」



 茶野を除いた3人が返事をした。棒立ちを極めていた茶野は赤木に肩を揺すられる。幾ら強くしても茶野から反応を貰えず、顔を覗き込むと白目を向きながら、顔のありとあらゆる穴から青黒く輝るインクが垂れ流れていた。



「おい!しっかりしろ金之助!」


「ウッソでしょ、それ暴走してない…?!」



 嘔吐物のように漏れ出るインクは地面に広がり、そのうち茶野は痙攣を起こした。



「え?やばくね!?」


「これでは出血死ならぬ液漏れ死ダナ!」



 赤木と黒澤は目と頭がグルグルになったようだった。言葉に釣られたのか茶野の口から拳程度のインクの塊が出てきた。



「物騒なこと言うな!マスター、これどうにかできませんか?」


「わかんないもーん!僕初めてだったんだからわかるわけないじゃん。それにお母さんだって、お母さん…」



 来夢がまた泣きそうになると、動物に威嚇するように部下たちを睨みつけた。だけどそこで怜夢は閃いた!



「パパのところに連れて行こう!」

 マダムレンズの大好物は農薬がたっぷり使用された林檎。食事担当のミスベルからいつも貰っていて、喧嘩をした次の日は必ず無農薬の林檎を渡される。農薬のほうが好きみたいなもんだから当然また喧嘩をする。

 そして喧嘩するときのマダムレンズは超絶訛る。

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