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揉むだけ揉むだけサーンジュウビョウ

「あのクソ上司、いったいどこで道草食ってるんですか…!」



 西組は構えた銃が今にも発砲されそうな勢いで、ここにいない怜夢に苛立ちをぶつける。それはそうと言いたげに、3部下は目を細めながら苦笑いをこぼすのであった。



「姫様にこんなむさ苦しい戦いをさせる訳なかろう。私が遠くに高い高いして差し上げたのだよ。」



「何言ってるんだこのおっさん。」

「成人男性に高い高いはきついわ」

「緑谷上官が死んじゃった〜(泣)」


「黙らんかこの下等生物どもが!姫様は頑丈なのだ!だから私の大砲で死ぬわけなかろう!」



 コントのように3部下が鋭いツッコミを入れると、アームストロングはおにぎりの恩を忘れて怒鳴った。


〜〜〜

一方その頃の怜夢



「飛ばされた☆と思ったらいい感じの木に挟まっちゃったYO!こういうときは…ル●ーン!俺が捕まえるまでくたばるなよー!!!」



 何処ぞのインターポールが木に挟まったときに言ったような言葉を口にするのであった。


〜〜〜


「あっちは心配無用そうだわ」



 来夢の地獄耳がそれを捉え、呆れのため息がつかれた。6人が向かい合わせになって暫く経つが、状況が変わる気配はない。と思っていた。


 急に周辺の気温が下がった。下がったと言うよりまるで火がこの世から消えたようだった。それはたった数年で世界人口の約4割を凍死させた『火のない年』の再来を彷彿させた。



「これはいったい…」



 アームストロングが口を開くが、彼の目から光が消えた。火のない火器に生命非ず。膝を付き、アームストロングは活動を停止させた。

 しかし動けなくなったのはアームストロングだけではなかった。来夢の脚が震え始め、言い表しようのない吐き気が襲ってきた。耐えきれず吐き出すが、固体などない透明な液体を吐くだけだった。それを見た来夢は喉奥に指を突っ込み始めた。



「何してるんだ!」


「吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと吐かないと。僕の中にあるもの全部出さなきゃ、気持ち悪いのが僕の身体から消えない…いや…いやだ…」



 来夢を心配して黒澤と赤木、そして西組が近づくが、のどに突っ込む手を3人で抑えるのがやっとだった。そんな中でも『茶野』は銃口をアームストロングに向けていた。

 その判断は正しかったのか、はたまた悪かったのか。アームストロングは動き始めた。でもそれはまるで空中から1本の紐で吊るし上げられているようだった。

 彼はシルクハットを手に取る。するとそれを普段の何倍にも大きくして、人1人を丸々隠してしまうくらいの大きさにした。『茶野』は焦るが、冷静になって気がついた。それはこちらに向けられていなかったからだ。

 

 シルクハットの先に目をやると、まるでルビーのような赤い目とぱっつん姫カットの長い紫髪をした女の子が座り込んでいた。そのあとの行動は何が起きたのか分からなかった。でもただ無性にあの子を守らないといけない気がした。そんな気がしたんだ。無我夢中に走り、女の子を押して大砲の射程圏内から外した。


ボシュ…

 次の瞬間、大砲が発砲された。勢いよく飛んだ弾は見事に『茶野』の左足を肉片に変えてしまった。


《本日のグリストーリー》

 希夢は一度だけ素顔で学校に行ったことがある。

そしたらあまりの美しさに全校生徒+教師もおかしくなった。最終的に約7割がヤバめのストーカーに変貌したため、泣く泣く転校することになり、これを経験してから希夢は家以外では素顔を見せることは無くなった。黒澤たち友人10名に素顔を見せてしまったのは本当にミスだったけど、内心では期待していた。


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