ごめん眠い、思いつかん
場面は変わり3部下たちは集合していた。
「これはまずいな…上官との連絡も取れなくなってしまったし、どうすりゃいいんだ。」
「その場で待機って訳にもいきませんし、実行犯探しながら怪我人も見つけるって感じですね。それで良いですか?晴侶さん…って息切れすごっ!」
「そ…そんなごど…ないゾ…」
彼が銃を好きなのに、自衛隊に入ったのに戦闘を行わない部署に配属されたのはまさにこれ。ゴミカスの体力だったからである。手が届きそうで届かない存在に変わった銃は、まるで幼い頃に自分より大きな棚に入っているクッキーをつま先で取ろうとしているようだった。
「お前さ、普段事務処理してんのにいきなりこんな動いたらそうなるわ。牛丼の並も食べれたことない人間だろ?」
「ハァ…ハァ…そんなことより事態の収集が第一だ。1人でも多くの人々を救うことに意識を削ごう。」
「貴方、本当にそういうところは自衛官に向いていると思いますよ。」
黒澤の言葉に『茶野』は一息付きながら、『赤木』は頷きながら答えた。戦地を共にした戦友同士には、多くを語る必要はなかった。
パサ…
意見がまあ、まとまったところでいざ征かん!と足を進めようとすると、黒澤の制服が強く引っ張られた。バランスを崩して黒澤は床に尻もちを付いた。強く地面に付いて痛くなったところを擦り、顔を上げると目の前が光沢のある美しい黒に染まった。
どこかで見た気が…
次の瞬間、大きな発砲音と共に人間より遥かに大きな丸い鉄の塊がすぐ目の前に現れた。あ…これは死ぬ。そう思ったが、光沢のある黒は靡きながらそれを一刀両断した。パックリ割れた塊の先には、昔のイギリス人のような装いをした男が立っていた。
「呼ばれてないけど、ジャジャジャじゃぁーん。貴方達が姫様の部下…そして久しぶりだな廃棄物。」
黒は髪だった。大きな鎌を持って勇敢な背中を見せる来夢がそれと話をしていた。
本日のグリストーリー
黒澤と赤木は幼稚園からの腐れ縁。
毎回黒澤が変な方向に突っ走るのを赤木が止めている。
意見は衝突し合うけど、昔一緒に買ったラウンドのサングラスは今もお互いつけている。




