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よろしいのですか…♡

なんとびっくり!こちらの作品、3分で読み終わります!

 『アームストロング卿』と呼ばれたものは、まるで何もないところにシャッターを切ったのに幽霊が写ってしまったように、いつの間にか怜夢のすぐ目の先に現れた。


 襟元にふんわりしたクラバットをつけ、ぴっちりしたウエストコートを羽織り、同じくらいぴっちりしたブリーチを履いていた。手袋もブーツもオシャレに着飾っていて、何より目立ったのは大きな穴の空いたシルクハットを被っていて、くるくるの茶髪…ではなく、木でできた小さな車輪が髪の毛のようにはみ出ていた。



「お久しぶりで御座います、姫様。お元気そうでなによりです。」


「あー!アームストロングの叔父ちゃんじゃん!本当に久しぶりだね。またお人間さん達にちょっかいかけて、このこの〜♪」



2人は手を繋ぎながらぴょんぴょん跳ねた。その様子に少年は頭を抱えて唸り始めた。



「え、?は!?なんだよ!お前ら…!」


「部外者に言うのもなんだが、あたしらほぼ親戚みたいなもんだもんね♪」


「ですね♪」



脳内お花畑モードの2人は、少年の存在を霞ませるように喜びを分かち合った。親戚の家のような場面はこの戦場にはあまりにも不気味で不釣り合いに見えた。




「さて、話は変わりますが、壊していいですか?姫様の宝物。」


「ん〜…だめ。」


「それは困りますね、私はもうあの少年と取引をしてしまいましたから、彼の願いを叶えないといけないのですよ。」


「でもだめ〜」


「えぇ〜そんなぁ。姫様もこちら側なんですから、こっちの事情も分かってくれると思ったのに。」


「そんなこと言われたって、そのへんはあたしに伝わってないんだから無理だよ。」




アームストロングは、何処かにいるかもしれない1000年も生きて、世界救ってそうな白髪のエルフがしょぼくれたみたいな顔をした。その姿を見て少し申し訳なく思った怜夢は考え、ハッと閃く。



「じゃあさ、賭けしようよ!」


「賭け…ですか?」


「そう!あたしの新しく出来た3人の部下を、叔父ちゃんが殺せたら叔父ちゃんの勝ち。逆に1人でも殺せなかったら僕の勝ち。」



な、何言ってるんだこいつ…簡単に自分の部下を差し出すなんて、正気の沙汰じゃない…!


少年は生まれたばかりの小鹿のように震えた。

自分より泣いている人がいると涙が引っ込むように、自分より狂っている怜夢を見て、彼は正気を取り戻した。



「でもそれじゃあ私の貰う50人の心臓と不釣り合いです。」


「だ、か、ら♪勝てたらあたしらとあたしらの愛してる人、殺してもいいよ♡」



アームストロングの閉じきっていた口は、その言葉を聞くと白くて生温かい息を吐き出し、上顎と舌の間に糸を引きながら答えた。


【本日のグリストーリー】


実は怜夢は、その道で食っていけるくらいマジックができる。特に消失マジックが得意で、小さいものならお金やトランプ、大きいものだと人間ですら消すことができる。

高校生のときにはそれでパートナーを落として結婚まで至った。

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