Yes, Ma‘am.
役職を聞いた後、他にもたくさんの情報を聞き出した
というよりお姉ちゃんが聞いてくれた
わかったことはくだらないが来夢にとっては宝物のようだった
異性関係についてもよくわかった。
『茶野』はモテない!
『赤木』はモテるがえり好みをする!
黒澤は生きている女に興味なし!
『西組』!なんとビックリ!既婚者!!
↑アシストしたのは怜夢でした
面白半分で話していたので、楽しく時間は進んだ
まるで海辺を白のワンピースで走り回っているくらいそれはそれは楽しい時間だった
気がつくと犯行予定と思われる時間まであと1時間を切っていた
気付いた『西組』はハッと驚いた表情で話し出す
「上官!もうこんな時間ですよ!いつまでもこんなことしている場合じゃありません」
「大丈夫大丈夫、やることは前言ったことと変わらないさ。それに相手は一般人だ。こちらが本気を出せば制圧くらい余裕に決まってる」
お姉ちゃんの言っていることは確かに正しい
この4人は『食満家』に選ばれただけあってかなり優秀だ
それほどの力、技術、情報を持っていることくらい音を聞くほどでもない
でもこういう時に限って何かと悪い事が起きる。
本能が言っている。
この事件はそう易易終わるものではないと。
そう不安を覚える来夢に制服を靡かせて怜夢が言う
「さあ、次期当主さま。我々はこれから戦地に向かいます。
武運を願って頂けませんか?」
変装していてもお姉ちゃんの優しい雰囲気が言っている
必ず成功させてみせるという自信を
「ふぅ…貴方たちの武運を祈ります。必ずや勝利を掲げなさい」
「「「「「Yes, Ma‘am.」」」」」
規律の整った返事は来夢を暫しの安心感に浸からせた
すると怜夢に連れられ、お気に入り3人は部屋をあとにする
そのときに黒澤は来夢に手を振った
部屋に残った『西組』は来夢に話しかける
「雇用主、自分は上官から命令を受けました。貴方の護衛をしろ、と。
部外者から見ると貴方は不自然な人になってしまいます
ひとまず見学ブースへ行きましょう」
来夢は少し考えた
顎の下に指を当て、ぶつぶつと小声で話す
聞き取れない『西組』が首を傾げて少し経つと、顔をあげて手を差し出した
「エスコートしろ、僕の部下なんだろ?」
「…Yes, Ma‘am.」
笑みを浮かべながら話す来夢の姿はまるで嫁いびりをする姑のようだった
やはり『西組』は来夢のお気に入りにはなれなかったことを表した
来夢の手を取って、長い廊下を2人は歩いた
傍からみれば何か関係を疑うようなことだが、お互いに我関せずと言ったところだった
めちゃくちゃ関係ないんですけど聞いてほしいです
私の家は築30年ほどの古い家なんです
だから隙間とかがあって毎年何かしらが入ってくるんですよ
そしたら昨日ヤツが出ました
小さかったんですけど、メガネもコンタクトもない状態だとボヤがかかるじゃないすか
最初蜘蛛かと思ったんですよ
殺虫剤とハエ叩き持って出たとこもっかい見たらヤツだったもんでびっくらこきましたわ
そっから約30分ほど格闘の末にヤツはこの世から消えました
終わった瞬間緊張の糸が解けましたよ
だから久々にガチ泣きしましたね
我ながら恥ずかしいっすわ
ps.勝手にしゃしゃり出てきてすみませんでした
どうしてもこれを誰かに言いたかったんすわ