制服ってエロいよね?
「おお!拳銃の方ではないカ!」
来夢の存在に気づいた黒澤は、嬉しさを体で表現するように抱擁を交わそうと、某子供向けアニメのメガネを付けた保育園の先生のような雰囲気で歩み寄ってきた
あと3、2、1…ほどの距離まで近づいたが、黒澤はここに上司がいることを忘れていた
「チェストォォォー!!」
「ゴフッッッッッッ…!!」
無惨にも鳩尾を怜夢の渾身の一撃で貫かれた黒澤は床に崩れ落ちた
「はあ…何してんねんお前。でもまた会えるとは思ってなかったわ」
「私もです、今日の見学会にいらっしゃったんですか?」
『赤木』と『茶野』はとても優しい口調で話した
あの日と全く変わらない雰囲気だが、1つ違うとするならば3人は自衛隊の制服を着ていたことだった
「はい。姉に連れてこられただけですけど、皆さんは自衛隊の人だったんですね」
「そうだよ、お国のために働いているんだ。んでー来夢ちゃん?1個聞きたいんだけど、お姉ちゃんって??
君を連れてきてくれたのは西組と緑谷上官でしょ?」
「?、あっ…」
来夢は完全にヤッたのでした
●術●戦みたいな滝汗を額から流しながら来夢はこれをどう言い訳すればいいかと思考を練った
しかしそれを打ち砕くように怜夢は話す
「俺だよ〜?君らと仕事を共にしてた『緑谷 祐希』上官は、完全無欠の超絶美少女の来夢のお姉ちゃんってことさ」
怜夢は倒れた黒澤の頭をちょいちょいと指でつつきながら答える
中々のトップシークレットを告白したにも関わらず、怜夢は顔色一つ変えずに淡々としていた
「はぁ!?貴方何言ってるんですか!?」
「でも…よく考えたらこの人の苗字、一郎…じゃなくて希夢と一緒だ」
信じきれない『茶野』に比べ、とある錬金術師の所業に気づいた小さめの錬金術師みたいな顔で『赤木』は状況を呑み込んだ
「お、赤木〜お前頭冴えてんね。
ここってさ、男性だけしか入隊を許されないだろ?だから男装したんだよ」
「いや意味わからんし。あと希夢がいるんだから彼奴を入隊さればいいでしょ」
「…?襲われたらどうするんだよ?」
「そらあんたのほうやろ!」
『赤木』の冷静なツッコミが輝いた
そんなふうにお昼休みの他愛のない食事中のお話みたいなことが繰り広げられていたが、『西組』が鳴らすローファーの音で場の雰囲気は一気に冷たくなった
カツン…
「…まあまあそんなことはどうでもいいんだよ。
今日ここにお前たち『鬼狩り』を集めたのは、作戦の最終確認だったが、俺たちの雇用主との謁見に変更だ。
さあ、お前たち。雇用主に頭を垂れな』