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ココロオドルマタアエル

ボーン…ボーン…ボーン…


12時を指す鐘の音で目が覚めた

縮こまって寝ていた身体を伸ばすと、来夢は布団から起き上がり外廊下に繋がる襖を開けた


「んー!っはぁ…昼だわ」


身体を外の空気を吸いながら伸びをした

高校生だが所詮不登校なので、こんな太陽が真上になるまで寝ていようが関係ないのだ


今日は何をして暇を潰そうかと考えていると、ふと昨日泊まらせた兄の友人たちを思い出した

少し面倒くさいと思いながらも彼らについて知るためと、朝昼ご飯を食べるために食堂に向かった




食堂のふすまを開けるとせっせと仕事をしているミスベルがいた

来夢に気づくとミスベルは目を輝かせながら歩み寄ってきた


「おそようですね、リトルマザー♪」


「うん、おはようミスベル」


「お食事のご準備ができています♪今日のメニューは『105mm 榴弾砲りゅうだんほうM102』と温かいガンオイルです♪」


ミスベルが食事の準備ができている席の椅子を引くので、来夢はふわりと座り込んだ

目の前の『105mm 榴弾砲りゅうだんほうM102』をどう食べようかと少し考え込んでいると、マダムレンズが食堂に入ってきた


「ベル〜林檎りんご頂戴…リトルマザァ〜♡」


またしても来夢に気づくと目を輝かせた二人目のバトラーに若干デジャブを覚えた

マダムレンズは来夢に近づき、今にも抱きつきそうになったが、昨日のことを思い出して抱きつく一歩手前で行動を停止させた

勝手に抱きつくのは駄目と頭で考えながらも、心は今すぐに飛びつきたいようで、まるでおやつを目の前にしながら飼い主の『よし!』を待っている姿に酷似していた


「ふふ…いいよ、おいで」


笑みを零しながら腕を広げると待ってましたと言わんばかりにマダムレンズは勢いよく抱きついてきた


「リトルマザァ〜♡リトルマザァ〜♡リトルマザァァァ〜♡」


「はいはい、いい子いい子だね」


何度も名前を呼びながら、マダムレンズはぐりぐりと音が鳴るくらいにほっぺたとほっぺたを擦り合わせてきた

それが10秒ほど続いてやっぱり止めたほうが良かったかもと来夢が後悔し始めると、何かを思い出したようにマダムレンズが離れて内ポケットを漁り始めた

暫くして取り出したのは毎度お馴染み、マダムレンズの特集新聞だった


「こちらの新聞は希夢様のご友人の特集が載っているものですわぁ♡

朝にお帰りになったけどぉ、リトルマザーに伝えておいてくれと言われましたのでぇ、こうして新聞にしましたぁ♡」


そう言いマダムレンズが来夢に折り畳まれた新聞を渡した

その新聞を来夢は指でなぞりながら読み始めた

その中には沢山の温かい言葉があった

特に「また会おう」と書かれていることが嬉しく、次はいつ会えるか、どんなことをしたいかを考えるととても心が躍るのであった

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