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赤髪のアリッサ

一同は大浴場へと足を運んだ


「にしても広い家やなー」

『桃田』は周りよりも小さな体で辺りを見回した


「まあ中々続いている家系だからな、軽く2000年は続いてるらしい」


「らしいってこんな由緒ある感じなのにきちんと受け継がれてないんか?」


「俺らの父親が頑なに話そうとしないからだよ。

『お前たちは知らなくていい、過去のことなんて思い出す必要なんてない』なーんて言ってくるから無理無理…」


皆が知らないだろうけど、希夢は髪をかき上げて、すぐさま人を殺しそうな目をつくり父親の真似をしながら答えた


暫く話しながら歩いていると、大きく男湯と書かれたのれんのついた場所についた


「なんだよ混浴じゃないのかよ」


「うちはそんな変な店じゃないんだよ、ほら入った入った」


がっかりする黄本を横目に希夢は先陣を切って、大浴場ののれんをくぐった

続いて皆が入ると、横の作業部屋からフードを深く被った褐色肌の赤髪にミニスカとルーズソックスが似合う子が沢山のタオルを持って出てきた


「あ!希夢さまじゃん。それにお客様もいる感じ?いらっしゃ〜せ♪」


「また新しい子出てきた!なあなあこの子も来夢ちゃんが作ったっていうバトラーのうちの1人か?」


「ああそうだ。アリッサ、ちゃんと挨拶しな」


「おけマル〜。あーしはこの家の清掃担当バトラーの『アリッサ・ミラノ』だよーよろぴく♪」


平成ギャルを連想させる彼女の姿は本当に人間で、町中ですれ違ったとしても違和感がないくらいだった


「こんなにもかわいい子を生み出せるとか来夢すげー」


「でしょでしょ?リトルマザーはすごいんだよ

ちなみにあーしのレシピは『人魚姫』と『洗濯機』なんだよ。だから君たちのお洋服もらっちゃうぞ〜」


そういうとアリッサの付け爪が伸びて希夢たちの服を剥いでいった

丸裸にされた希夢フレンズは自分の姿に気付くとすぐに急所を隠し、その姿にアリッサは大変ご満悦そうに笑った

しかし希夢はそれに慣れているようで服を脱がされても動じず、仁王立ちを貫いていた


「キャハハハ!ウケるんだけどwんじゃお風呂でゆっくりしといでー」


皆に風呂を勧めると同時に脱がせた服をパーカーの中に押し込んだ

それに若干引いた一同だったが、声を上げる前にアリッサはフードを閉めて、横についているボタンを押した


すると洗濯機でお馴染みの音楽がアリッサから流れて、体は中身が回る音に連動して震え始めた

どうやって動くのかが気になったが、一同が知る由もなくアリッサはロボットダンスのように動き出し、他の仕事に手を動かすのだった

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