バイト先とかでタイミング合わずに挨拶できないこととかあるよね
「太郎さんですね、よろしくお願いします」
2人は手を差し出し、堅い握手を交わした
いつの間にか来夢の笑顔は心の底からのものになっていた
「先輩ばっかり話してんじゃありませんよ。さっきはうちの先輩がすみません。
ボクは『紫村 清志』と申します。ボクとも仲良くしてくれませんか?」
「おいおい、清志くんさぁー。先越さないでよー
おれだってずっと狙って…ゔっゔん!…挨拶しようと思ってたのに。
あ、おれ『黄本 タツオ』ね。よろしく〜♪」
2人が挨拶を自然な流れで済ませると、残りの6人が待ってましたと言わんばかりに、来夢に挨拶しようと近づいてきた
しかし『赤木』はほぼ気絶寸前だったので、口元を抑えてその場待機していた
「フッ!この時を待っていたゾ!私は『黒澤 晴侶』だ。
君の兄の高校からの友人だ、仲良くしてくれたまえ!
ハッハッハ…!」
水原と握手していないほうの手を強引に取り、その手を両手で包むと肩が取れそうなくらい大きく振った
「ちょっと晴侶さん、女性に対してこれは失礼ですよ!そんなに大きく振ったら吹っ飛んでしまいますよ」
流石にそうはならないだろうと思いながらも、まあまあ強い力なので早く手を離してほしいと思うので割り入ってくれてありがとうと内心思っていた
「おっと!これは失礼した。少々興奮してしまうと周りが見えなくなるものでな!
それでこいつは『茶野』と言ってな、女慣れしていないが、まあ仲良くしてやってくれ」
「ちょっと要らないことは言わないで下さいよ!
あ、わたくし『茶野 金之助』と申します」
「はぁ…よろしくお願いします」
『茶野』は執事のように左手を胸に当て、右手を腰の後ろに回してお辞儀をした
「え!ちょっとおれもおれも!
おれ『桃田 有時』!よろしくー!」
周りに人が多すぎるので『桃田』は皆の足元を張って来夢に笑いながら手を振った
「じゃーもう知ってると思うけど僕は…」
「だったらボクに譲ってくださいね、『橙山 とび太』でーす。よろしくお願いしまぁす♪」
「とび太てめぇふざけんなよ!来夢ちゃん僕のことは龍一って呼んでね、『青井 龍一』だよ?覚えてね☆」
『橙山』は青井の言葉を遮って来夢に挨拶した
相変わらず仲がそこまでよろしくない2人は来夢との三角関係ができたくらいのバチバチを繰り広げていた
「で、あそこで悶えてるのが『赤木 丸男』な。みんなからはまるちゃんって呼ばれてるよ」
「…………!ちび●る子●ゃ…」
「言いたいことわかるけど別人だよ?」
お兄ちゃんが『赤木』に変わってお仕置きではなく、代わりの自己紹介ならぬ他者紹介をしてくれると、抑えきれない来夢の好奇心により、言ったらちょっと怒られるかもしれないことを口走った
というわけで、特に話は進まないが全員の名前と一人称くらいを説明する回でした
チャンチャン…♪