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目に見えるものが真実とは限らない

「「「「「「「「ア"ア"ア"ア"ア"ァ"ァ"!!!」」」」」」」」

黒澤以外の友人たちは異形の頭にびっくりして、思わず汚い叫び声を上げてしまった

そして黒澤は銃を撃っていた時の来夢に向けたようなキラキラした目で、異形の頭を見ていた


「なんなんだ…なんなんだこの素晴らしい光景は!!」

「あ…ああ…貴方なに言ってるんですか!?生首ですよ?生首?Do you get it!?」

「茶野さん今そんなイキリとか要りませんから!!」


興奮してますます目を輝かせる黒澤の肩を掴んで『茶野』は、これでもかというほど揺すりまくった

途中挟まれたイキリを他の友人はスルーしたにも関わらず、『紫村』は鋭いツッコミを入れたが、生首を前に落ち着くことが出来ず目はとても泳いでいた


「ミスベル。みなさん驚いているようだから、それどうにかして」

「そうだな、お前らでも流石にこれはびっくりするか」


生首を前にしても来夢と希夢は冷静だった

だって2人とってこれはただの食事であり、生首は採れたての果実を目の前にしているような気分だった


「リ…リトルマザーにお食事を受け取って頂けないなんて…♪」

「いや今はお客様を第一に考えないといけないからで…」

「アタクシ分かりましたわぁ♡」

チリン…

「なんですって、貴方なんかにリトルマザーのご思考が分かるわけありませんの♪」


暫く大人しくしていたマダム・レンズが口を開いたと思うとミスベルとの間に雷を起こした


「貴方はリトルマザーにいつもベタベタベタベタくっついてなんなのよ!♪

ベルはリトルマザーのお食事を作って、リトルマザーの身体を作って、お部屋から出なくてもベルがこの手で作ったものを運んだものを体内に入れてくれるのよ!!♪」


「そぉーんなこと関係無いわよ♡実際こぉんなに触ってもリトルマザーはアタクシのことを怒ったりなんてしないわ♡」


語りながら頭を撫で、毛先をとると真っ赤な口紅のついた唇で軽く髪にキスを落とした

その間来夢の表情はまるで美しいフランス人形のようで瞬きもせず、今の状況を受け入れていた


嫉妬に駆られたミスベルは持っているトレーを強く握りしめ、置かれている生首は冬の外のような音を響かせていた


………音が止まった


トレーが響かせていた音は消え、気が付くと『水原』がトレーを握っていた

そして力を入れてトレーをミスベルから奪ったかと思うと希夢に渡した

その勢いのまま『水原』はマダムレンズのもとに行くと、胸ぐらを掴んで引っ張っていった

道中女の子座りをしていたミスベルも後ろの襟を掴んでズルズル引きずった

あまりのことに抵抗出来ず、文章にならない言葉を口ずさむことしか出来なかった

そして彼女たちを廊下に放り出し、こういった


「頭冷やせ、寄生虫が。」


襖は勢いよく締められた。

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