小学生って好きな子によく意地悪なことするよね
くっついてる2人を離すと、来夢は大きく深呼吸して服の乱れを直した
「嗚"呼"〜!来"夢"ぅ"…」
「リ"ト"ル"マ"ザァ"ー…」
離された2人は親に餌をもらえなかったツバメのように大きな声をあげて泣いた
「それよりも説明せえ!お前が言うたんやろ!?」
「嗚"呼"…そうだった…」
「ほらこれ使って」
『桃田』の一喝が入ると希夢は『赤木』から渡されたティッシュで涙を拭いながら説明を始めた
「んでさっきの騒動だけど、攻めてきたのは…『悪魔』だ
体が鉄やオイル等の機械で出来ていて、一体ずつ専用の武器を作り出すことができる
それプラス弾丸やらも作ることができる
そして奴らの目的なんだが、一言で言うなら俺への嫌がらせだな」
「なんで緑谷…いや食満さんに嫌がらせが行われているのでしょうか?」
「お前のこと好きなんちゃうんけ!?」
「いやいや『水原』さん。小学生でもありませんしそんなことするわけないっすよ」
「それもそうやなぁ!」
真剣に話を聞いている『茶野』に対し、場を和ませるためかテンションがおかしくなっているせいかで、『水原』と『橙山』はかなり騒いでいた
そしてそれを聞いている来夢は友達ってこんな感じなのか〜と絶賛悪い影響を受けていた
「でもー嫌がらせにしては結構度が過ぎてますよ兄貴ぃ。
だって僕らあの時マジモンの銃で撃たれましたよ!?」
「は!?お前銃撃たれて無事だったのかよ!?」
「僕の運が良かったんでしょ♪でも来夢ちゃんが冷静に僕と食満の兄貴を逃がしてくれたんだよ」
「マジで!?こんな小さいのに来夢ちゃんすごいんだね、うちのアホ助けてくれてありがとね」
そう言いながら『黄本』は来夢の頭を撫でた
一瞬来夢はびっくりしたが、撫で心地が良かったのかすぐ目を細めて満足そうに撫でられていた
それを見たマダムレンズは激しい嫉妬の感情に襲われ、殺気の籠もった視線を黄本に向けた
「な!アタクシのリトルマザーに勝手に触って!
今すぐその手を離して下さいまし!」
「え、あーごめんね、妹にやるように手が動いちゃったわ」
「いえ、大丈夫です。黄本さんはお兄ちゃんに似ていますね」
「お願い来夢、こんなやつとお兄ちゃんを一緒にしないで」
「こんなやつってなんだよ!」
「あ"!?」「あ"!?」
「くすくす(笑)」
「(全くこれだから男どもはおバカさんなんだよね)」
「そうだね…え、あれ?」
「どうかしたん?」
「今お姉ちゃんの声が聞こえた気がしたんです」
「ん〜僕には聞こえなかったな、気の所為じゃないかな?」
来夢は気の所為だと思うことにした
だが他にもここにいる人、場所、話している内容等、それら全てにどこが違和感を感じていた




