"僕の日常"
始めて小説を書いてみます
どうか一読お願いします
これはとある一家のいつも通りの朝。
いつも通りの"僕の日常"だ。
「皆様ー朝ごはんですよ」
使用人の呼びかけがあり、家族は各々の部屋から出てきた
「やったー!お兄ちゃんご飯だって」
僕の名前は食満 来夢
今年で5歳になるこの家の末っ子だ
「聞こえてるって」
そうやって眠そうに目を擦っているのは僕の10歳年上の希夢お兄ちゃん
寝癖のついた長い黒髪を後ろで一括りにした姿はいつ見ても自慢のお兄ちゃんと大声で叫びたいくらいだ
前髪の隙間から見える赤い目は少し鋭いが僕を見るとすぐにへにゃりと曲線を描き、優しい顔付きにかわる
「おはよう来夢」
「おはようお兄ちゃん」
そういうとお兄ちゃんは僕の手を取ってリビングに向かった
「あ、2人ともおはよー」
リビングで出迎えてくれたのは先程聞いた声の使用人ではなく、おちゃらけた性格なのに対して、まあまあ真面目な僕の怜夢お姉ちゃんだった。
「おはようお姉ちゃん、また今日も早起きなんだね」
「あったりまえじゃないか!
こんなにも可愛い妹と弟に1番最初におはようを言えるなら早起きでもなんでもするよ」
朝食の乗った皿を片手で持ちながらくるくる回る姿は我が姉ながらバカっぽいと思ってしまった
それでも顔がいいので許す。
お姉ちゃんとお兄ちゃんは2人とも似ていて綺麗だ
2人を産んでくれた僕の両親には毎度のこと感謝しかない
お兄ちゃんがゆっくりと燃える炎なら、お姉ちゃんはギラギラと光る雷みたいだ
実際そのくらい綺麗な黄色の目をしていて毎日挨拶してくるときにその目が僕に向いてくるもんだから、浄化されそうだ
「はいはい、わかったから朝ごはんにしよう。
姉ちゃんはその皿をちゃんとテーブルに置いてよ、来夢の教育に悪い」
「そんなに怒んないでよ。ほら来夢、今日は君の好きな『M1911』だよ」
「やったーお兄ちゃん早く食べようよ。早くしないと銃口が冷めちゃうよ」
「うん、そうだね」
そうして僕たちは食卓に付いた
その音を聞いたのか朝に僕たちを呼んだ使用人が奥から出てきて、手に持っているガンオイルを透明なコップに注いだ
その間に僕たちは手袋をはめる
注ぎ終わると僕たちは顔を見合わせ、両手を合わせた
「「「いただきます」」」
これが僕たち「食満家」の日常だ。
日本にあるもう使われなくなった武器を食べて食べて食べ尽くす。古から存在する僕たち一家の武器を消化できる力を持っている。何百年にも及んでその責務を全うしているからか、僕たち一家の懐は潤いに潤いまくっているのは置いといて、こんな生活を生まれたから、ずっと繰り返していた僕たちにはこれが普通だ。
先祖はこの能力を悪用していたようだが、両親が頑なに教えてくれないので僕たち兄弟は何一つ知らずに今まで生きてきた。
でもこれが普通じゃないことも知っている。
人間は果物や野菜、お肉、魚などを食べているらしい。僕も1度だけ食べたことがあるが、食べた瞬間に猛烈な吐き気を催した。何時間も苦しみ、吐き続けた。そんな思いはしたくないから僕たちは武器を食べる。今もこれからもそれが変わることはない。
これが今の"僕たちの日常"だ。
僕たちの武器の食べ方はそれぞれ違う。
お姉ちゃんは一気に銃口からパクリと食べ、ファイアリングピンが断面から見えるくらいまで1口でいってしまう。
対象にお兄ちゃんは部品を1つずつ外し、まずスライドレールから次にチェンバーを食べる。
2人とも美味しそうに食べるから見ていて目の保養になる。
僕は好きな物は最後に食べるから先に付け合せの「45ACP弾」を頬張る。
「「(か…わいいぃぃ…)」」
一方この2人の姉弟は無邪気に弾を頬張る妹を見て、心のうちで盛り上がっていた。
そう、何を隠そうこの2人…
年の離れた妹を溺愛するバカ姉貴とバカ兄貴である。怜夢はもしゃもしゃと食べている口を抑えながら、希夢は分解している手元を止めずに天井を見上げている。
確かに怜夢も希夢も端正な顔立ちをしているが、来夢はそれ以上であった。2人と同じ長い黒髪は産まれてからまだ一度も切られていないとても神聖な髪であり、家族で丁寧にケアをしているから、綺麗な光沢が天使の輪をつくっている。両親のいい所を全て持っている来夢は2人が物心がついたときに産まれたのでそれはそれは可愛くて仕方なかったのだ。
弾に夢中な来夢は、挙動不審な姉と兄に気づかず、ひとしきり盛り上がりが収まった2人は顔を見合わせ、グットサインを出していた。
そうしていくうちに3人は出されたものを全て平らげてしまった。
「いやー久しぶりに食べたけど中々だったね。」
「そうだな、来夢。口の周りにオイルついてる。」
「え、やだあ。とってよ。」
といった瞬間、いきなり室内で強風が吹いたのかというくらいの風と、大きくテーブルと叩いた音がリビングに響いた。
来夢は驚いて、目を瞑った。
そして次に目を開いたときには、テーブルの上にあったであろうナプキンは怜夢の手にあった。
「じゃあお姉ちゃんが拭いてあげるね♡」
恐らく今日一の笑顔で怜夢は丁寧に拭いてあげた。
そしてその隣には真っ赤になった手をもう片方の手で抑え、痛みを堪えている希夢の姿があった。
朝食が終わったので2人は学校に行く準備を始めた。
中高一貫の学校に通っている2人は行き道も制服も出る時間も同じだ。来夢の幼稚園はおやすみなので準備する2人を眺めていた。その様子を見た2人は又しても悶絶して口角が上がるのを抑えていた。
「来夢〜お姉ちゃんがいなくても泣かないでね。」
「家から出る時はちゃんと誰かに言って付いてきてもらうんだよ。」
家を出る前のこのくだりは、あと何回すればいいのか分からないくらい続く。
「わかった、わかったから早く行きなよ。遅刻しちゃってもいいの?」
「あ、ちょっとヤバいじゃん。」
「嘘だろ急ぐぞ。あ…まって。」
勢い良く出ていきそうだった2人は、ドアを開けたあと来夢に向かって振り向いた。
「「行ってきます」」
元気よく笑顔で2人は言った。
「行ってらっしゃい。」
ピピピピ…ピピピピ…ピピピ…ガチャ…
また同じ夢を見た。あの頃の幸せな夢。
あれから10年が経った。あんなにも賑やかな朝ごはんはもう随分と取っていないと思う。こんなにも広い家から1つの部屋に籠るようになったのはいつからだろうか…
夢に出てきた「M1911」を1人で食べる。手袋も付けず、雑にカゴに入っていたものを口を大きく開けて1口で飲み込んだ。
これが今の"僕の日常"だ
どうだったでしょうか?
恐らくいろいろ間違っているところがあると思います
頑張ってこれからも書いていきたいと思うのでよろしくお願いします