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 明日から学園……いわば学校だ。

ここはエルグランド王国でその隣の領地にあたるらしい。

王都リスタリアまで馬車で数十分の距離、つまりはそんなに遠くない距離にある。

この世界では、日本のように義務教育ではないので6歳から12歳までが義務教育期間となっているそうだ。

男の俺が一体どんな顔をして学園にいけばいいのか……いや今は女か……。

ちなみに俺の通う学校アルタイル学園は初等部、中等部、高等部があり、それぞれ別々の場所にあるため、同じ敷地内にはあるが別々になっている。

俺は高等部に所属する。

「……そういや、こっちの学園はどんな感じなのかしら?」

記憶をめぐらせてみるが上手く思い出せない。一気に記憶が流入したのでまだ混乱している。

気にしても仕方がないか……。

「まぁある程度の人物像さえわかればなんとかなるわね」

普通に男言葉で喋ってるつもりなのにお嬢様口調になってしまう。

そんなこと考えててもしょうがないかと思ってたところ、コンコンッと扉がノックされる。

「はい、どなたかしら?」

「お嬢様、お茶会の準備が整いましたのでお迎えにあがりました」

お茶会?そういうえばそういう習慣もあった気がする。

「わかりました、すぐ参ります」

メイドのシャルロットさんは俺の専属メイドだ。

シャルロットさんに連れられてお茶会の開かれるバルコニーへとやってきた、そこにはもう既に母と兄と妹が座っていた。

「やぁまた最後だねエリーやっぱり僕が呼びにいったほうがよかったかな?」

冗談交じりに笑って話す兄・シェルフォード。

「もうシェルフォードお兄様!レディには身支度に時間がかかるものなんですよ」

妹のアリサがフォローを入れてくれる、優しい子なのだ。

しかし、そんな妹に気を遣わせるとは……本当に俺はダメなお姉ちゃんだなぁと少し悲しくなる。

「さて、エリーも来たことですし、お茶会の続きをしましょう」

そうお母様が告げると俺の前にティーカップが置かれ紅茶が注がれた。

「なんの話をしていましたの?」

俺は話に置いてかれないように話題を聞き返す。

「エリー、貴女の縁談の話をしていたのよ」

お母様がそう言い放った直後

「縁談!?そんな私のいないところで勝手に!」

「エリー、貴女ももう年頃の女性です、縁談相手の一人や二人いてもおかしくはありません」

「けどお母様!私はまだ結婚なんて考えてませんわ!」

そうだ!それに俺はホモじゃない!

「まぁまぁエリー、落ち着いて、お母様にも思慮があってのことだと思うよ」

お兄様がそう言って間に割って入る。

「それともエリー、貴女にはもう心に決めた人がいるの?」

うぐっそれを言われると何も言い返せない……。

「エリー程の子だ、僕の可愛い妹に悪い虫が付くのはいただけないがいい寄ってくる男は沢山いるんだろう?」

「うっ……」

記憶をたどると過去に数多もの男から告白を受けていたことを思い出す。

「エリー、私は別に強要するわけではありません、貴女に想う人がいるならばその方と結婚すればいいと思っているわ、ただそういった方がいないのであれば縁談をせざるを得ません」

「エリー、意中の人はいるのかい?」

お兄様の言葉に返答が詰まる。

「ええっと……今はまだ」

「私も縁談は反対です!お姉様がいなくなると寂しいです!」

そう言って間に入ってきたのは末妹のアリサだ。

「アリサ、そうは言うけれど貴女ももう12、

あと数年もすればエリーのように誰かと縁談しなければならないのよ?」

お母様がそう言うとアリサは顔をしかめる。

「私は私の想った人と添い遂げたいわ、お姉様もきっとそうでしょう?」

「え、ええそうね」

咄嗟に話を振られた俺は相槌を打つ。

「ほら、やっぱりお姉様も意中の方と添い遂げたいんです!」

声を荒げるアリサを宥めながらお母様の方を見る。

「お母様、これに関しては私もアリサと同意見ですわ」

「取り敢えず、顔合わせということで次の縁談には出てもらいます、いいわね?」

「えぇっ!そんな勝手に決められても困ります!」

「お相手の方とはもう話は通ってあります、これで欠席しようものなら相手の顔に泥を塗るようなもの、そんなことあってはなりません」

何勝手に話進めちゃってんだよ!こっちの都合は無視か!?

「お母様!そんな急に勝手な……」

「勝手も何もありません、これは決まったことなのです、いいですね?」

「はい……」

気圧されてしまいつい承諾してしまう。

「では明日、ベネデール子爵の子息の元へ参ります、それまでに支度しておきなさい」

「えっ明日ってお母様、いくらなんでも急すぎますわ!」

昨日の今日転生したきたばかりの俺にお見合いだと!ふざけんな!

「もう約束は取り付けてあります、あなたもフォンティーヌ家の一員なら腹をくくりなさい」

そういうとお母様は席を立ってしまった。

ベネデール子爵の子息とか言ってたな、どんなやつだっけ……思い出せない……。

俺は頭を抱える、その様子を見てアリサは

「お姉様?大丈夫ですか?」

「ええ、大丈夫よ」

アリサに心配をかけまいと気丈に振る舞う。

こうして俺は転生して間もないまま顔合わせという名目でベネデール子爵家を訪れるのであった。

どうなっちゃうの?俺……。


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