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48.

 (※ウィリアム王子視点)


 どうやら私は、意識を失っている間に、職も失ってしまったらしい。


 目が覚めた私は病院のベッドの上にいた。

 幸い、命に別状はないそうだ。

 しかし、店主にかけられた言葉が、私の心に重くのしかかっていた。

 

 見舞いの言葉でもかけられるのかと思っていたが、お前はクビだ、と彼はそう言った。


 幸い店の被害はそれほどではなかったそうだが、私の勝手な行動が招いたことには変わりはない。

 店が大変なことになったのだから、その原因である私をクビにするのは、当然のことだ。

 そして、そのうち損害賠償を請求されるそうだ。

 彼は怒鳴り散らすのを我慢しているような表情でそんなことを言ったが、私は納得できなかった。


 すべての罪を私に擦り付け、店から追放するなんて……。

 

 しかし、まあいい……。

 いずれ、失った人材の有能さに気付いて、戻ってきてくれと頼みこんでくるだろう。

 平民が読む書物には、そのようなストーリーのものがあることを、私は最近知ったのだ。

 どうして知ったのかというと、私もそういうものを読んでいるからだ。

 まるで、物語の主人公になった気分だった。


 戻ってきてくれと、泣きながら頼み込んで来たら、土下座くらいはしてもらおう。

 あとは、今まで生意気な口をきいてきた奴らには、どのような報いを受けさせようか……。

 そうだ、私を復帰させる代わりに、そいつらをクビにしてもらおう。


 今まで生意気な口をきいてきた奴らは所詮ただのモブだ。

 私こそが、主人公なのだ。

 ほかのやつらなど、私の引き立て役に過ぎない。

 最近は私にとって良くないことばかり起きているが、そろそろ返り咲く時がやってくる予感がしていた。

 さあ、いつ、戻ってきてくれと、と私に頼み込んでくる?


 その時が来るまで、私も寛大な心で待っていてやろう……。


     *


 (※ヘレン視点)


「ただいま」


「おかえりなさい」


 返ってきた殿下を、私は笑顔で出迎えた。


「え、殿下、その腕、どうしたのですか?」


 私は驚いた。

 殿下の腕には、包帯が巻かれていたからだ。


「ああ、これは、大したことないよ。まあ、強いて言うなら、名誉の負傷ってやつかな」


「そうですか……。大したことないのなら、よかったです」


「それより、私はしばらく、休暇を取ることになった」


「え、休暇ですか?」


 突然の話だったので、私は少し驚いた。


「ああ、店は、下っ端どもに任せておくことにしたから、大丈夫だ。だから、しばらくの間は、君と過ごせる時間が増えることになる」


「嬉しいです、殿下。あ、そうだ、今日は、外で食事をするのでしたね」


「ああ、さっそく、出掛けよう」


 私たちは、目的のお店まで歩いた。

 そして、に十分後くらいに、お店の前に到着した。

 早速お店の中に入ろうとしたが、そこで、思わぬ人物と出会った。

 こんなところで会うとは思わなかったので、私は驚いていた。


 私たちが出会った人物は、お姉さまと、王宮で見た兵だった……。

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