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side勇者#2

勇者くん視点第二話目…あかん、不安しかない

召喚されて初めての朝を迎えた


わざわざ侍女の方が起こしに来てくれた


「昨日のは夢じゃなかったのか…。」


朝起きるとそこは家で、もしかすると昨日の出来事は夢なんじゃないかと思っていたが、その可能性はないようだ


服を着替えて朝食を食べているとゼイルさんが訪ねてきた


「おはようございます、勇者様。昨夜はよく眠れましたか?」


「はい、ベッドがふかふかだったのでぐっすりです。」


「それはよかった。」


そういうとゼイルさんは俺の向かいの席に座り、話し始めた


「では勇者様。簡単に本日の予定を説明いたしますのでお食事しながらで結構ですのでお聞きください。予定といっても今日は訓練と城の案内しかございませんが。それで本日の訓練ですが、昨日申し上げた通り勇者様の今の力を確認させてもらいます。」


「それは分かりましたが、力といっても昨日鑑定した際にステータスはお教えしたはずですが…。」


「そうなのですが、ステータスの数値はあくまで目安なのです。なのであの数値だけでは勇者様にあった訓練の作成が難しいので実際に模擬戦をしていただきます。」


「わかりました。それで…模擬戦の相手は誰なんですか?」


「私です。」


「え?」


ゼイルさんは椅子から立ち上がると、


「模擬戦相手はこの私、セルドブルム聖王国騎士団長、ゼイル・クロウディアが務めさせていただきます。」


そう言い放つと、惚れ惚れするようなイケメンスマイルを浮かべた


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

どうやら模擬戦は修練場で行うらしく、朝食を食べ終えると俺は騎士団員のメイルさんに修練場まで案内してもらっていた


メイルさんは瑞々しい若葉のような緑色の髪と瞳が特徴的な女性だ


少し小柄な体に不釣り合いなほどにたわわに育った大きい胸に、目がいきそうになるのを必死にこらえ、気を紛らわすために俺は道中ゼイルさんはどのような方なのか聞いてみた


「団長は騎士団全員の憧れなんですよ。かっこよくて優しくて、剣の腕では王国で右に出るものはいないくらい強くて、それなのにそれを鼻にかけずとても謙虚で。まさに騎士の鑑ですよ。かくいう私も団長に憧れて騎士団に入ったんですよ。」


メイルさんが嬉しそうに語っているのを見て本当に尊敬しているんだなと感じた


「あ、勇者様。そろそろ見えてきましたよ。あれが私たち騎士団が所有し、主に訓練を行っている修練場です。」


メイルさんが指さした方向を見ると、旅番組でみたローマのコロッセオを彷彿とさせる武骨さを感じさせる建物があった


俺はかなり遠くからでも感じる威圧感に緊張し、気を引き締めなおした


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


「おお~。遠くからでも十分大きかったけど近くで見ると本当でかいな~。」


「国内のなかで王宮の次に大きい建物ですからね。外観もさることながら中も凄いんですよ?」


「へ~。ほんとにすごいな~。」


「訓練までまだ時間があるのでよければ案内しますよ?」


「ほんとか?ありがとう、早速お願いしていいかな。」


「お任せください。ではまずはこちらです。」





ーーあれからメイルさんに修練場を案内してもらった後、俺は修練場の控室で防具を身に着け何もない広間に来ていた


軽くストレッチをしていると遅れてゼイルさんがやってきた


「遅れて申し訳ない。書類に思いのほか手間取ってしまってね。」


「いえ、気にしないでください。」


「そういってもらえるとありがたい。では早速始めようか。」


「はい、よろしくお願いします。」


「では簡単にルールを説明しておく。使う得物はお互い腰に刺さっている木剣を使用する。魔法の使用は禁止。相手に負けを認めさせるか気絶させた時点で終了とする。

さて、何か質問はあるかな?」


「あの…俺剣とか使ったことないんですけど…。」


「そこは大丈夫。基本私から攻撃を仕掛けるつもりはない。遠慮せずどんどん切りかかってくれて構わないよ。」


「わかりました。俺はいつでも行けますよ。」


「では…はじめ!!」


ゼイルさんはそういうと腰の木剣を抜いて眼前に構えた


俺もそれをまねるように剣を構えると一歩踏み出してゼイルさんに切りかかった


そしたら…”地面が上に見えた”


そう、転ばされたのだ


俺は何もできずそのまま地面と情熱的なキスをした


突然の出来事に呆けている俺にゼイルさんは


「まだ始まったばかりですよ。どんどん来てください。」


と言って剣を構えなおした


それから何回かゼイルさんに切りかかったが、何回やっても体が砂まみれになるだけだった



30分ほどたったころにゼイルさんに


「そろそろ終わりましょうか。勇者様の力も把握できましたし。」


「はぁっ、はぁっ…わかりました…。」


結局俺はゼイルさんに一撃も与えることができなかった


俺が肩で息をしているのに対してゼイルさんは全く息を乱していない時点で力の差は歴然だろう


鎧を脱いだゼイルさんが、息を整えていた俺に話しかけた


「お疲れ様でした、勇者様。初めて剣を持ったといっていましたがよい剣筋でした。これからが楽しみですね。」


「ありがとうございます。団長さんに比べると全然ですけどね。」


「私は場数を踏んでいますからね。」


「確かにそうですね。」


その後一言二言談笑をすると


「では私は先ほどの勇者様のデータをもとに訓練メニューを作成してきます。

帰りもメイルを同行させますのでご安心を。今日はゆっくり休んで明日からの訓練に備えておいてくださいね。ではまた明日お会いしましょう。」


そういうとゼイルさんは俺に一礼して執務室の方に歩いて行った


俺は着替えて修練場の入り口まで行くとメイルさんが待ってくれていた


「すみません、お待たせして。」


「大丈夫ですよ。では帰りましょうか。王宮までは遠いですからね、日が暮れる前に帰りましょう。」


空を見上げると太陽はすでに西へと沈みだしていた


王宮までの帰路、メイルさんに今日の訓練について聞かれた


「本日の訓練はいかがでしたか?」


「全然ダメでした…。剣は当たらないし、ずっとこかされてばかりで…。」


「それは当然ですよ。勇者様は剣も持ったことがないのでしょう?

焦らなくて大丈夫ですよ。明日からの訓練、一緒に頑張りましょうね。」


「メイルさん…ありがとうございます。一緒に頑張りましょう!」


「はい!では私はここまでです。明日もお迎えに上がるので待っていてくださいね。今日はしっかり体を休めてくださいね。お休みなさいませ。」


「うん、ありがとう。おやすみ。」


メイルさんは綺麗な一礼をすると王宮に隣接されている騎士団寮の方に消えていった


くたくたになって部屋に戻った俺は倒れるようにベッドに横になった


明日の訓練が今から楽しみで仕方ないがさすがに疲れたのか動くのがだるい


今日は明日に備えて寝ようと決め、俺は目を閉じ、意識を手放した

誤字・脱字、変なところがあればお教えいただけると嬉しいです


たぶん変なところあるだろうけど……

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