ウォーミングアップ
『占い師』
と聞くとまず浮かんでくるワードは、
『いんちきくさい』
『うさんくさい』
『詐欺師』
『おまえに人の何が分かるのか』
『斜めから見てやろう』
『ひやかしてやろう』
『くだらない』
『興味ない』
『キモイ』
『ふっ(薄ら笑い)』
『バカじゃない?』
といった感じが多いのではないだろうか。
そして、占い師を頼ろうと思う場合に多いのは、『迷っているとき』ではないか。もしくは、『誰かに背中を押してもらいたいとき』
あなたの心の隙間をお埋めいたします。
とはどこぞのおっさんのことばだがしかし、ここにもその手の占い師が今日もまたのほほんと生きている。
ただ彼の場合は、『いろいろなものが視えている』占い師に値する。ぶっちゃけ占い師でもなんでもないじゃないかと思うんだけど、それはまた改めて彼の口から。
つまり、この世ならざるものが見えてしまう特異体質であり、またそれらとコンタクトを取ることを売りとしているいわば、自分の力を『金策』としてお悩み解決をしているわけである。
そしてこの特殊能力を惜しみ無く遠慮なくフルに発揮しがっしがしと金を稼いでいる。それを生活の基盤として大好きな猫たちとともに新宿の地下に仕事場件自宅を作り、お気楽に毎日を頑張ることなくのほほんと過ごしていた。
なんせ頑張ることが嫌いな彼は頑張らないことを頑張っていた。
朝倉湖、彼女が来るまでは。
性格に癖がありそして少々エロい占い師は今日もあなたの心の隙間にお高い万円のお靴でずかずかと土足で上がります。
礼儀? そんなもの持ち合わせていたらこんなあこぎな商売、しませんて。