僕が消えた日。
ある日、突然! 僕がもう一人いる!?
僕は去年、田舎の山奥に住んでいたんだけど......? 上京して大阪に、関西弁は難しい。
「そうやなぁ~」
「なんで?」
「それ? どうしたん!」
「まぁ! えぇーわ!」
「なんやねん?」
職場の人達は、みんな関西人だしノリがいい。でも、関西人じゃない僕が関西弁を話すと?
ちょっと? ムッとされる。イントネーションなのか?
それに、ノリ突っ込みが抜群にいい。良くしゃべるし、話してて笑が尽きない。
でもなんだか? 1人になりたい時もあるのに......。
なかなか? 1人にさせてくれない。
そんな時だ! 朝起きたら......? 僕がもう一人いる!?
「あぁーー!」 夢でも見てるのか? 目を何回かこすって見るけど? やっぱりもう一人いる。
「誰だよ!」「お前こそ!」
「なんで?」ユニゾンみたいにハモった。
僕が2人と言う事は......? 交互に、仕事にいけばいい。
もう一人は? その日、好きな事をしていい事にしよう。
僕は、もう一人の僕が何故? ここにいるのか、あんまり考えなかった。好き勝手に、好きなように2人いるんだからと? 軽く考えてしまった。
お互いの考えを共有できるように、その日、1日あった事を、事細かく、ノートに書いたりボイスメッセージに声を吹き込んだりして、夜になると? 二人で情報交換する毎日を送っていた。
何かと面倒くさいけど? そうしないと、仕事の事とか? わからなくなるし、あの時、誰々にあんな事を言われたとか? 覚えている記憶は二人で交換。
でも、気が付くと? 元からいた僕の記憶が、後から来た僕の記憶に吸収されている。
それに、僕の姿が薄れていく。
「パタッ」
とうとう、僕は後から来た僕に記憶を全て飲み込まれた。
そして......僕が消えた日。
最後までお読みいただきありがとうございました。