九十六話
真撰組についた。
真撰組と言っても、いつも行くフィギュア屋さんの下の階にある事務所なのだが。
「失礼しますであります…」
ドクターマリは、上の階のアンドロイド用医務室に行ってしまった。
「おはようございます。晃穂殿。ようこそ真撰組に」
沖田さんが、にこやかに挨拶してくれた。
「新入りに愛想なんていらないぞ?沖田。晃穂とか言ったな。遅刻じゃないが先輩より遅くくるなんて何事だ!切腹ものだぞ!」
土方さんは、すでに怒っていた。
「ひぃ!切腹は嫌であります!」
「土方さん、今時そんな事言うとパワハラですよ!」
「沖田は甘い!京都の八ツ橋のように甘いな!新人にはちゃんと規律を教えなければならん!」
沖田さんが土方さんを宥めてくれているが、焼石に水だった。
晃穂は真撰組に入ったことを既に後悔し始めていた。
「まぁ、そんなに怖がらないで。土方さんは優しい一面もあるのですよ」
「優しい一面などあるわけがない!」
沖田さんのフォローも水の泡だ。土方さんはいつも怒っているのだろうか?
「まぁ、なんにせよ、真撰組の羽織を着てください。着れば真撰組の仲間ですよ!」
沖田さんが青と白の真撰組の羽織を持ってきてくれた。
それを羽織る晃穂。
「おぉ、似合いますね!」
「そうか?あんまり似合わないと思うが…」
誉める沖田さんと、そうでもない土方さん。
「ところで、近藤さんはいるのでありますか?」
晃穂は、二人に聞いてみた。
「近藤さんとは馴れ馴れしい!局長と呼べ!」
「ひぃ!土方さん怖いであります!局長はいらっしゃるでありますか?」
「怖くて結構。俺は鬼の副長だからな!」
なぜか、ふんぞり返る土方さん。
「局長は見回り兼秋葉原商工会に挨拶回りだ。局長はお忙しいお忙しいのだ!」
近藤さん基い、局長は忙しいらしい。要は外回り中というわけだ。
「我々の任務もだいたいは見回りが主になりますよ」
そう沖田さんが説明してくれた。
「これからはもっと忙しくなるぞ!アイドルテロリストがくるかもしれないのだからな!」
土方さんは険しい顔をして言った。




