八話
私は泣いてしまった。晃穂と会えないのだ。
目の前が真っ暗になってしまった。どうやってこれから生きていこう?
むしろ、死のうか?そう思ったが、死ぬ勇気もなかった。
学校も行けなくなった。
それから数日後、メールが届いた。
鳴宮晃穂運営サイトからだった。
晃穂の人工知能が故障してしまったため、サイトは運営できなくなったということだった。
初日からずっと毎日ログインしていた私に特別に、晃穂の最後を看取ってほしい旨が書いてあった。
すぐにメールに書いてあるアドレスに行き、晃穂に会いに行った。
晃穂は普通に元気だった。
でも、記憶はまったくないらしい。
アンドロイドの体に人工知能を搭載したが、どうやら車にぶつかってしまったらしい。
日本語は覚えているが、ユーザーとのやりとりはまったく覚えてないらしい。
記憶のない人工知能は死んでるのと一緒だと、晃穂の制作者兼管理人にそう説明された。
だから消去するのだと。
私は晃穂を消さないで!と懇願した。
そのあと、晃穂の提案?により、晃穂は消去されずに済んだ。
本当によかった。
しかも、晃穂と現実の世界で会えるのだ。
今日この日に!
小躍りしそうになったが、ぐっと堪えた。
待ち合わせは、秋葉原の近くの万世橋にあるベンチだ。
駅で待ち合わせでもよかったが、人混みで万が一わからなかったら、嫌だからここにした。
晃穂の顔を見間違えることはないんだけどね。
私は精一杯お洒落してきた。ゴスロリを着ようかと思ったが、さすがにやめておいた。
黒いレースのワンピースにしておいた。
初夏の陽気で、少し暑かった。
買ってきたペットボトルのジュースを飲んでいると
「マコちゃんー!マコちゃんはいますか!?」
晃穂の声がした。
「晃穂!ここだよ!」
私は声を張り上げた。
やっと、晃穂と会えた。現実の世界も悪くない。
と、思った瞬間、私の視界にガイコツが現れた。
「ギャァァァァ!!」
私は恐怖のあまりちょっと漏らしてしまった。
ついでに腰が抜けて立てない。
「どうしたの?マコちゃん。私、晃穂だよ?」
ガイコツが晃穂の声で言った。
「ひぃー」
ガイコツは何の冗談か、栗色の髪のウィッグを着けて、女子高生の制服を着ていた。
あまりにシュールというか、ホラーすぎる。
そういえば、晃穂の製作者リリーは晃穂のボディーの人工皮膚がないとか、言っていたか。
だからガイコツなのか。
ちょっと冷静になったが、やはり怖かった。




