八十八話
森のような鬱蒼とした木々の中を通り、歩いていく。
「どこまで続くんですか?この道は!?」
「うるさいわね!とっとと歩きなさいって!」
ドクターマリに怒られてしまった。
家に辿り着くのになんで、こんなに歩かないといけないのだ。
お金持ちの家も何かと大変だと思った晃穂だった。
木々の間から白堊の宮殿のような建物が見えて来た。
ルネサンス建築の豪奢な建物だった。
「うわぁ、なんでありますか!貴族の家みたいのが出て来たであります!」
「普通よ普通って言ってるでしょー!私はただの一般市民よ!」
「全然普通じゃないであります…」
やっと玄関が見えて来た。玄関もものすごいでかい。
「巨人が通る玄関でありますか?」
玄関開けるとこれまた広い。
「ここで数人住めますであります!」
「あなたはいちいち感想言わないと気が済まないの!?」
通路を抜けると、吹き抜けになり赤い絨毯が引かれた大広間にでた。
天井からは大きなシャンデリアが下がり、煌々と辺りを照らしていた。
「こんな広間見たことないであります!」
「……」
ドクターマリは、もう何も言わなかった。
どうやら二階建てで、二階に登るには両脇から伸びる階段から登るらしい。
「おかえりなさいませ、お嬢様」
「ただいま、田端さん、遅くなってごめんなさい」
見ると、エプロンを着た老婦人が立っていた。
「いえいえ、お仕事だったのでしょう、いつもご苦労様ですね。で、こちらの方は?」
「鳴宮晃穂といいます!以後お見知り置きを!」
晃穂は元気よく自己紹介した。
「あなた声大きすぎる!もう少し小さい声で喋って!晃穂は見た通りのアホアンドロイドよ。田端さんはお手伝いさんよ」
「アホとはなんでありますか!アホとは!」
ドクターマリの紹介に抗議する晃穂。
「まぁ、随分と可愛らしいアンドロイドさんですねぇ…」
「可愛らしいって言われたであります!もっと言って欲しいであります!」
「お世辞よ!お世辞!そんなこともわからないの!?」
褒められて嬉しい晃穂。それを訂正するドクターマリ。
「仲がよろしいのですね、それよりお夜食はお食べになられましたか?」
「ちょっとしか食べてないであります!食べたいであります!
オムライスをみんなで分けただけなので、晃穂はお腹が空いていた。
「なんであなたが答えるの!?イミワカンナイ!」
「そうかと思って、作ってありますよ。食堂までお越しください」
そう言うと田端さんは行ってしまった。多分食堂に行ったのだろう。




