八十三話
「大変なのだ!大変なのだ!」
突然、秋葉原諜報部の緋星弥七が入ってきた。
「どうしたでござるか? 騒々しい」
「鳴宮百合子の調査を、弥七に頼んでいたのです。それで何かわかりましたか?弥七」
沖田さんが説明してくれた。
「鳴宮百合子は、10年前に自殺してるのだ。今生きてるはずがないのだ」
「な、何だって!?本当でござるか!?」
「じゃあ、今いるリリーはお化けでありますか?こないだも元気でありましたよ」
「そんな非科学的なことがあり得るわけがないです…」
驚愕の事実に驚く三人。
「アンドロイド開発技術団体を追われた鳴宮百合子は、そのあとすぐに自殺してるのだ。服毒自殺らしいのだ」
「確かでござるか?弥七殿」
「確かか、わからないけどアンドロイド開発技術団体に問い合わせてみたのだ」
謎がまた、増えてしまった。
もし、仮にリリーが自分を死んだことにして、なんらかの理由で戸籍を抹消したいのであれば、本名を名乗っていたのでは意味がない。
「鳴宮百合子、まさに謎の人物でござるな…」
「考えていてもしょうがない。面妖な魔性の者なら遠慮はいりません!粛清すべきです!」
沖田さんは過激な性格らしかった。
「あと、もうひとつ大変なことがあるのだ!」
「今度はなんでござるか!?」
弥七の言葉に目を見開く店員さん。
「アイドルテロリストが再び秋葉原に戻ってくるらしいのだ!」
「なんでまた!?こんな時期に!?」
アイドルテロリスト。聞いたことはあるが実際な見たことはない。
「やばいでござるよ!やばいでござるよ!…」
店員さんが、パニックになった。
「しかも、一番凶悪犯のアイドルテロリストが舞い戻ってくるらしいのだ」
「もっとやばいでござるよ!もしかして超法規的措置で国外に逃げたアイドルテロリストでござるか?」
「そうなのだ!超法規的措置でなんかなったテロリストなのだ!」
なんかとはなんなんだ?そもそも超法規的措置とはなんだろう?
「超法規的措置ってなんでありますか?」
「国家が定めた法律などに規定された範囲を、国家そのものが越えて行う特別な行為のことでござるよ」
「???さっぱりわからないであります」
「例えば、テロリストがテロをやれば当然法の裁きを受けるでござるが、テロリストの要求を飲んで国家がテロに屈し、テロリストの要求通りに国家が動いた場合が超法規的措置を取ったことになるでござるな」
「ということは、アイドルテロリストの件で国家はテロに屈したわけでありますか!?」
なんという事態だ。




