表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/144

七話

私、澤口松子は今日という日が、とても楽しみだった。

高校生になって、ずっと陰キャだった私は友達がほとんどいなかった。

まず、なんで松子なんて名前をつけたのだ。昭和か?

親をものすごく恨んだ。

最初は級友たちに名前をいじられたが、それにも飽きたのか、誰も松子を相手にしなくなった。

幼なじみの親友がいるが、クラスが違うので登下校のときに会うか、たまに遊ぶぐらいだ。


私はなんて不幸なんだ。私は嘆いた。

別にいじめられてるわけでもないし、たいして不幸でもないが。そう自分に言い聞かせた。

せめて、美少女に生まれればなぁ。

でもあいにく、私はどちらかと言えば、ブスだ。

目が大きくて、奥二重だが、あとのパーツが全部小さい。身長も小さい。

鼻もぺったんこ。口もおちょぼ口。

髪も、おかっぱなので、陰で座敷わらしとか、こけしとか、あだ名がついてるらしい。

しかも、目が悪いので、でかい黒縁メガネをかけている。

なんとも言えない顔をしてるらしい。


私はだんだん、ネットにはまり出した。

ネットなら自分の姿関係ないし、言いたいことも言えた。

最近のネットは発達していて、バーチャル空間がほとんどだった。

私はハンドルネームをマコにして、アバターも美少女にした。身長は変えなかったが。

ちょっと子どもっぽい格好だか、周りの反応は悪くなかった。

ネットなので、服も選び放題だ。

ゴスロリ系が何故か好きでよく着た。


ある日、いつものようにネットサーフィンをしていると(バーチャル空間を散歩している感覚だが)

とてもかわいい女の子の広告があった。

栗色の髪に満面の笑顔。太陽みたいなかわいい笑顔。

女子高生の制服を着ている。すごく似合っていた。

自分とは正反対の女の子。

アイドルなのか?

広告をよく読んでみると、その女の子は人工知能だった。

人工知能の鳴宮晃穂と自由にお話してみませんか?本日オープン!そう書いてあった。

人間のアイドルとかは、興味ないが人工知能なら面白そうだと思った。

無料だというので、すぐにそのサイトに行ってみた。


最初、晃穂とはチャットでしか、会話できなかった。

無料なので、こんなものか?と思ったが、正直物足りなかった。

そのうちバーチャルになったが、月額課金制になった。

お小遣いで、どうにかなったので、払い続けた。


バーチャルでの晃穂は可愛かった。

多少、口が悪いが、私も口が悪いので気にならなかった。夜通し他愛もない会話を楽しんだ。

多少高い金額を払うと晃穂と、二人きりで話せた。

バーチャル空間なのに、晃穂の匂いを間近に感じた。

シャンプーのいい匂いと、少しお日さまの香りがした。

男だったら、惚れてしまっただろう。

いや、私は晃穂に惚れてしまったのかもしれない。


いつしか、私は晃穂に甘える振りをして、抱きついていた。

晃穂の体臭を思い切り吸い込んだ。あまりにいい匂いがして、頭がクラクラした。

晃穂に抱かれたまま、寝てしまった日も、たびたびあった。

それ以上のこともしたかったが、BANされても嫌だったので、やめておいた。


晃穂がいれば、何もいらないぐらいにはまってしまった。

友達も恋人もいらない。そう思った。

だんだんサイトは人気をなくし、ユーザーも減ったが関係なかった。


しかし、そんな楽しい日々も長くは続かなかった。

ある日突然、晃穂のサイトに入れなくなっしまったのだ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ