七十話
「うまいであります!うまいであります!」
おかずもたいらげ、晃穂はご満悦だ。
喜んでくれるのはいいが、うまいしか言わない。語彙力とは…。
昼食も食べ、まったり岸辺で座って休んだ。
本当は川に入ったので、シャワーでも浴びたいが我慢しよう。
「ふわぁ。眠くなってきた…。何しに来たかわからないね」
「マコちゃんとデートであります!水遊びであります!」
「違うでしょ!修行しにきたんでしょ!」
「そうだったであります!」
忘れてたのかよ!
夕方、人が少なくなったら、修行しようと晃穂に話した。
面倒くさいという晃穂を説得した。
「マコちゃん、案外スパルタであります…」
説得(物理)したのである。
それから数時間後、夕方になりだいぶ人が少なくなってきた。
「晃穂!滝を斬るのよ!」
「やってみるであります!」
晃穂は高周波ブレイドを取りだし、滝に向かって薙ぎ払った。
何回やっても、当たり前だが滝は斬れない。
「やっぱり、無理でありますよ…」
滝壺に入れないので、滝からかなり距離がある。
どう考えても無理そうだ。それでも…。
「晃穂!イメージしろ!できるかな?じゃない、やるんだよ!」
そもそも、晃穂はできるかな?なんて言っていない。
「無茶苦茶言わないでください」
「晃穂!滝が斬れるイメージしたほうが絶対いいって。今の晃穂はネガティブすぎる。ブレイドから波動が出て、滝が斬れるとかそういうイメージでもいいから成功したイメージを持つんだ」
「わかったであります!」
「晃穂カッター!」
大声で叫び、晃穂はブレイドを振る。
シーン…。当然、波動も何も出ない。
「ぐぬぬ、晃穂カッター!」
しかし、その晃穂カッター!はどうにかならないのか?
「晃穂カッター!晃穂カッター!」
何度もやるが、何も起こらない。
晃穂は力尽き、がっくりと膝をついた。
「無理ですよ。こんなのできないですよ…」
「なんで、そこで諦めるんだ!?もっと熱くなれよ!ねばーぎぶあっぷ!」
励ましてるつもりだが、晃穂の眼が段々冷めてきた。
「マコちゃん…」
なんだ、私が悪いのか?せっかく慣れない熱血キャラやってるのに。
「もう、帰ろうであります。暗くなってきたであります」
「まだだ、まだ、終わらんよ!」
何かあるはずだ。何かが…。
「晃穂、そのブレイド見せて」
「いいでありますが、切れ味抜群なので刃のところは絶対に触ってはいけないでありますよ」
晃穂のブレイドを手にとる、刃の部分が振動し、オレンジ色に発光している。
ん?持つ柄の部分に何かスイッチがあるぞ?
押して見たが、何も起こらない。
「晃穂、ここにスイッチというか、ボタンがあるんだけど、押して見て?」
「?これでありますか?」




