六十五話
電車に乗りながら、東京多摩地区の滝スポットを探した。
晃穂にも見やすいようにタブレットで調べる。
金剛の滝も出てきた。八王子だが多摩地区に入るのかな?よくわからないが。
他にもいろんな滝がある。
九頭竜の滝、竜神の滝とかが名前がかっこいい。
写真を晃穂に見せる。
「もっと大きい滝がいいであります!」
なら、払沢の滝がいいか?
写真と3D動画を見せる。私が最初勘違いして行こうとしてた滝だ。
「おぉー!なかなか迫力ある滝ですな!東京で唯一滝100選に選ばれたのでありますか?観光地にもなっているのでありますか!?」
観光地なのか?人が多そうだな。滝を斬る修行できるだろうか?
「修行するぞー!やる気が俄然湧いてきたであります!」
晃穂はやる気満々だ。しかし…。
「晃穂、人が多かったら高周波ブレイド振り回したらダメだよ!危ないから」
「えぇー!?修行にならないでありますよ!」
「手刀で斬るしかないね。イメージしろ!」
「イメージしろって、マコちゃん無茶苦茶すぎであります!」
イメージトレーニングはすごく大切なのだが。
立川まで戻る。中央本線で神田まで戻りたい。まだまだ長旅だ。
私は眠くなってきた。
「マコちゃん、眠いでありますか?肩貸すであります」
私は晃穂のお言葉に甘えて肩に私の頭を預けた。
晃穂の甘い香りを嗅ぎながら、私は眠りに落ちた。
私は夢の中にいた。何故か夢だとわかった。
少し離れた場所に晃穂がいた。
晃穂は後ろ姿なので、表情はわからない。
「晃穂!」
私は呼びかける。だが、晃穂は少しずつ私から遠ざかっていく。
「晃穂!どこ行くの?待って!行かないで!」
私は必死に晃穂に呼びかける。だがしかし、晃穂はどんどん遠ざかっていってしまう。
「晃穂!!行かないでよ!私を置いて行かないで!私一人じゃ何もできないの!晃穂がいないと駄目なの!」
私の必死の叫びを無視し、晃穂は遠ざかり見えなくなってしまった。
はっとして眼が覚めた。
よかった。晃穂は隣にいた。晃穂の可愛い顔が近くにあって落ち着いた。
晃穂も眠っていた。てっきり、神田に着いたら起こしてくれるのかと思ったが。
とても可愛い寝顔を見てたら、怒る気もなくなった。
私は眠っている晃穂の頬にキスをした。誰か見てるかも知れないが構わない。
私の晃穂。私だけの晃穂。自分でもどうしようもないぐらい晃穂が好きだ。
なんで、こんなに晃穂が好きなのか自分でもわからない。
晃穂と離れたくない。晃穂とずっと一緒にいたい。
でも、さっき見た不安な夢が、ずっと頭から離れないのだった。




