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六十四話

幸いなことに帰りのバスはあった。結構遅くまであるらしい。

「マコちゃん、滝が斬れないであります。滝が斬れなければ望乃里に勝てないであります」

晃穂はかなり落ち込んでいる。心なしか涙ぐんでいる。

「マコちゃん、私は初めて負けたであります。滝を斬ることも出来ないであります。どうすればいいでありますか?」

晃穂が落ち込むなんて珍しい。ここは叱咤激励したほうがいいのか?

「晃穂!その顔はなんだ!その眼はなんだ!その涙はなんだ!その涙で奴が倒せるか?皆必死に生きてるのに…。挫ける自分を恥ずかしいと思わないの!!」

私はどこかで聞いたことがある台詞で、晃穂を叱咤激励した。

「マコちゃん…。うわーん!」

晃穂は泣きながら、私の胸に飛び込んできた。

よしよし、晃穂の頭を撫でてあげた。バスが空いていてよかった。

バスを降り、電車に乗った。

「晃穂、闇雲に滝を斬っても駄目だよ。目標がないと。」

「目標でありますか?言ってる意味はよくわからんが、わかったであります!」

よくわかってないけど、いいのか?

「目標を視線のセンターに入れて斬るんだよ!そうすれば多分斬れるよ!」

「マコちゃんは、やっぱりすごいであります!」

すごくはない。ネットのどこかで見た付け焼き刃の知識を言っているだけだ。

晃穂がまた抱きついてきた。やっぱり晃穂が隣にいると私も嬉しい。

「でも、金剛の滝はダメでありますよね?どこがいいでありますか?」

「うーん、最初私が勘違いした多摩の滝なんてどう?でかい滝もあるよ?」

「多摩でありますか?多摩も東京にしては緑が多いでありますな!」

「今度は昼間一緒に行こうよ?ハイキングも兼ねて」

「ハイキングいいでありますね。でも、昼間だと脱げないであります」

なんで脱ぐ前提なんだ!?

「滝の飛沫で結構濡れるであります!」

「やだよ!濡れるの嫌だったら合羽でも着なよ」

「合羽暑いから嫌であります!

私は必死に晃穂を止めた。

「なら、滝で修行するときに着る薄い行衣というの着ればいいじゃない。それならいいでしょ?」

「わかったであります。それ着ればいいでありますね?」

晃穂と会う前の不安は吹き飛んだ。やはり、私は晃穂のことを好きだと実感した。

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