五十六話
「いやぁ、いい勝負でごわすな!」
「はぁはぁ…。そうでありますな」
二人は息も絶え絶えだが、どこかやりきった顔をしている。
がっちりと握手をしている。見ていた野次馬が拍手を贈る。
感動の名場面みたいになっているが、ただ相撲をとっていただけだ。
「お主、名前は?」
「鳴宮晃穂であります!」
「私の四股名は望乃里。ただ勝手に名乗っているだけだが。本名は東郷望でごわす。
お主が晃穂か。あの沖田と引き分けたという。道理ですごい強さであったか」
望さんが、しきりに感心している。晃穂の強さは噂になっているのか?
「強くなんてないであります。全然歯が立たなかったでありますよ」
「謙遜しなくていいでごわす。あそこまでがっぷり組めたのは久しぶりでごわす」
二人は意気投合しているようだ。相撲で友情が芽生えたのだろうか?
「今度は真剣勝負がしたいでごわすな。相撲の勝負ではこちらが有利。晃穂の得意なスタイルで戦ってみたいでごわす。異種格闘技戦といこうでごわす」
「それはいいであります!やろうであります!」
二人は何やらスマホを取りだしメルアドを交換しているようだ。私は晃穂のメルアド知らないのに!複雑な心境だ。
「では、また連絡するでごわす!」
「またであります!」
望さんは去って行った。また、勝負することになったのか?大丈夫なのか?
「晃穂、大丈夫なの?」
「大丈夫であります!もっと強いやつと戦いたいであります!」
晃穂は俄然やる気だった。
晃穂が汗まみれなので、どこか汗を流せる場所を探した。
シャワーがあるネットカフェがあったので、そこに入った。
ネットカフェなので、シャワールームは狭いが、しょうがない。
シャワーだけだとあれなので、30分コースにした。
早速シャワーに晃穂を入れる。しかし…。
「マコちゃんも一緒に入るであります!」
晃穂に強引に入れられ、私まで入ることになった。
狭すぎる!二人で入るシャワールームではない。
晃穂は構わずボディーシャンプーを全身に満遍なくつけた。
私まで泡まみれになった。晃穂は体をくねくねと動かし始めた。
私と体が密着しているので、晃穂の豊満な胸とかお腹が私の体をむにゅむにゅ洗ってくれた。
「二人同時に洗えて便利でありますよ?」
便利かもしれないが、私には刺激が強すぎるよ。変な気分になってしまう。
「晃穂…。好きだよ…」
私の口から自然な気持ちが出ていた。
「マコちゃん。私もだよ…」
どちらからともなく、唇を重ねた。




