五十四話
「学校に行くわよ!晃穂!」
「合点承知であります!」
遅刻になるかならないかの瀬戸際だった。最近こういう状況多いな。
ちょっと小走りで学校に向かう。晃穂もついてくる。
「おはよう!松子ちゃん!」
雲雀もこちらに駆け寄ってくる。
いつもの朝だ。朝からかなり暑い。嫌になるぐらい晴れている。
昨晩の不安はどこかにいった。昨日は情緒不安定だったのだろう。
少し走っただけなのに、汗が吹き出てくる。
学校に着いた。雲雀と別れ、自分のクラスに入る。
先生が来てHRが始まる。いつもの日常が始まる。変わらぬ日常。
どうにも気が抜けて、勉強に身が入らない。
先生に外出許可をもらって外出することにした。
晃穂も着いてくるという。
晃穂と秋葉原の街に行く。特に資料を探したりするわけではない。
要は授業をサボったわけだ。
「マコちゃんいけないんだ。授業サボったでありますか?」
「あとで論文書くし、別にいいでしょ?」
中央通りを歩く。朝食抜きだから何か食べるか?などと考えていたら…
制服を着た女子高生が四股を踏んでいた。相撲の四股だ。
一心不乱に四股を踏んでいる。ぽっちゃりしているが、かわいい女の子が四股を踏んでいる。
異様な光景だ。異様というかシュールすぎるだろう。
流石は東京秋葉原。大概の人は見て見ぬ振りをして通りすぎる。
やばい人だとあれなので無視して通り過ぎようと思ったら…。
「何やってるでありますか?お相撲さんでありますか?」
晃穂が話しかけていた。おいおいやめてくれよ。
「ごっつあんです!四股を踏んでいるでごわす!」
今時お相撲さんですら、言わないような言葉使いで答えてくれた。
「おー!やっぱりお相撲さんでありますか?初めて見たであります」
晃穂は喜んでいるが、多分本当のお相撲さんではないぞ?
相撲女子高生は四股を十分にやったのか、今度は張り手を始めた。
「おー!すごいであります。生で見る張り手はすごい迫力であります!」
張り手をする度に長いお下げの髪が跳ね、汗が飛び散っている。
大変暑苦しい。何もこんな炎天下で相撲の稽古?をしなくていいだろう。
「お相撲さんすごいであります!相撲とってみたいであります!」
晃穂はすごくはしゃいでいる。そんなに相撲がいいのか?




