四十九話
翌朝起きたら、瑠美さんの気配はだいぶ消えていた。
ちょっとさみしい。
なんで瑠美さんはあんな能力があるんだ。ある意味かなり厄介な能力だろう。
他人の体を操るとかよりはましかな?
ある日の放課後、晃穂とゲーセンに行き遊んでいた。
UFOキャッチャーを初めて見た晃穂は大興奮だった。
「おぉ!これがUFOキャッチャーでありますか?やってみるであります!」
昔やってたアニメのフィギュアがプライズで取れるUFOキャッチャーだった。
晃穂はお金がないので、お金を入れてやる。
UFOキャッチャーのアームはものすごい弱い。
案の定晃穂は取れなかった。
「悔しいであります!」
さすがに取れるまでお金はかけられない。
どこかにフィギュア売ってるかな?いつものフィギュア屋さん行ってみるか?
悔しがっている晃穂を引きずり、フィギュア屋さんに向かった。
その途中。
「沖田さんの仇!」
という叫び声が聞こえた。声のした方を見たらショートカットのボーイッシュな女の子が両手に十手を持って晃穂に殴りかかるところだった。
ガキィ―ン!晃穂の後頭部にクリーンヒットした。
「ぐぇ!」
晃穂が変な悲鳴を上げた。
ボーイッシュな女の子は黒装束を着ている。忍者か?ニンジャなのか!?
忍者なのに十手持ってるのが変だが。
「十手手裏剣!」
持っていた十手をおもむろに投げるボーイッシュ女の子。
晃穂は大げさにのけぞりよけた。どこかで見たよけかただ。
すごいどや顔をしている晃穂の後頭部にブーメランのように飛んできた十手がめり込んだ。
「ぐぇぇ!!」
十手は手裏剣だった。なるほど。ちょっとは忍者っぽい。
攻撃は当たっているが、晃穂にはあまり効いてないようにようだ。
「どうだ?参ったか!沖田さんにひどいことをしたやつは許さないのだ!」
沖田さんの関係者なのか?しかし、何故そこでニンジャ!?
「秋葉原諜報部部長 緋星弥七見参!」
ちゅどーん!弥七と名乗る女の子の後ろで爆炎が上がる。演出だろうか?
諜報部なのに目立ちすぎなのは突っ込んではいけないのだろうか?
「しかして、その実体は沖田さん親衛隊隊長緋星弥七なのだ!」
実体まで明かしてしまった。諜報とは一体…。
何事かと集まってきた野次馬に手裏剣のように何やら紙片を投げつける弥七。
私の手元にも紙片が届く。沖田さんのブロマイドだった。
何やら脱力してしまった。沖田さんのファンが晃穂に襲いかかってきただけだった。




