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四十七話

「松子さんはあのときパパに電話してくれたので命の恩人なのです」

「あのときは見過ごせなくて…」

何せ、やったのは晃穂なのだ。

「そういった優しいお人柄に惚れてしまいました!」

瑠美さんが目をキラキラさせ、ずいっと顔を寄せてきた。

「お気持ちは嬉しいですが…」

「嬉しいのですか!?」

何を言っても無駄そうだった。既に他校の生徒が集まって来ていて、こちらを見ている。視線が痛い。

「では、そろそろ論文コンクールを始めたいと思います」

論文コンクールが始まってしまった。

次々に生徒が論文を発表する。徐々に自分の番が迫ってきた。

緊張してきた。冷や汗が出てきた。

「松子さん、大丈夫ですか?」

瑠美さんが心配してくれた。

だが、大丈夫じゃなかった。目眩までしてきた。

瑠美さんが私の手を握ってくれた。

「緊張しているのですね。大丈夫です。私がついてますから。ご安心を」

瑠美さんはそう言うが、頭がぐるぐるしてきた。

ついに私の名前が呼ばれた。ひぃー!

「大丈夫、ずっと私がついてますから…」

嘘だ。そんなわけがないじゃないか。とりあえず立ち上がり壇上に向かう。

歩き方がギクシャクしてしまう。

マイクに向かうな頭が真っ白になった。どうしよう?

だが、私の口が勝手に論文を読み始めた。なんだこれは。

誰かに私の脳内を使われ口が勝手に動いている感じだ。

気持ち悪さはない。何か頭の中がクリアになっていく。

ふと瑠美さんを見ると、手を振っている。これは瑠美さんの仕業なのか!?

どういう仕組みかわからないが、瑠美さんが私の口を使って論文を読んでくれているらしい。

すごいなアンドロイド。よくわからない機能があるのね。

淀みなく論文が読め、私は壇上を後にした。

瑠美さんが拍手してくれた。他の生徒もまばらだが拍手が起こった。

恥ずかしいからやめてくれ!

そのあと、瑠美さんも論文を読み他の生徒も読み終えた。

論文コンクールが無事に終わった。よかった。


「瑠美さん、なんかよくわからないけど、ありがとうございました」

「いえいえ、微力ながらお手伝いできてよかったですわ」

私は瑠美さんにお礼を言った。やはり瑠美さんのおかげだった。

「ずっと私と松子さんは一緒ですわ。それでは、ごきげんよう」

「本当にありがとうございます。さようなら瑠美さん」

ずっと一緒とはどういうことなのか?瑠美さんと別れビルを後にした。

電車に乗る。今日はすごい疲れた。帰って早めに寝よう。

座席に座れたので、寝てしまいそうになりながら帰った。

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