四十六話
目当てのビルについた。
とんでもなくでかいビルだ。下の階層は緑が生い茂り森のようになっている。
上の階層は左半分がガラス貼りになっている。
どこが入り口かわからない。とりあえずビルに向かう人について行った。
森の部分に入り、木々を掻い潜り中を進むと入り口があった。
なんでこんなにわかりづらいのだろう?
入り口に入ると、中は吹き抜けになっており全面ガラス貼りだった。
真ん中には螺旋階段があり、階段かエレベーターで上層部に行くらしい。
そもそも何階で論文コンクールはやるのだ?
真ん中に受付があるので聞いてみることにした。
「すみません。論文コンクールはどこでやるのですか? 」
「53階、第12会議室ホールで実施致しますよ」
ものすごい美人の受付嬢に言われた。53階!?最上階は何階なのだ?
礼を言って、エレベーターに向かう。
エレベーターは勝手に開いた。人を感知して自動で開くのだろう。
中に入って53階を押した。エレベーターが上昇する。
中は全面ガラス貼りで高所恐怖症の私にはつらかった。
ガラス貼りなんて嫌いだ。あまり下を見ないようにした。
どうにか53階まで着きエレベーター扉が開く。
第12会議室ホールってどこだ?よかった。目の前にあった。上層部は普通のビルの内部だった。何か安心した。
第12会議室ホールに入った。
「椅子に座ってお待ち下さい」
スーツを着た男性に言われたので、20席ぐらいあるパイプ椅子に座る。
他には誰もいない。早く着きすぎたのだ。前方には壇上がありマイクがついている。
あそこで論文を読むのだ。胃がキューと痛くなった。
隣に誰か座る気配がした。
「ごきげんよう。松子さん」
上品な挨拶をされ横を見ると瑠美さんがいた。
「こ、こんにちは。瑠美さん」
白を基調とした制服を着て、長い黒髪、切れ長な瞳。美しすぎる女子高生だ。
「瑠美さんも論文コンクールに出るのですね」
「はい。松子さんもさすがですね。このコンクールは限られた生徒しか出ることができません」
誉められているのだろうか?
「それより私の恋文読んでくれましたか?」
恋文?なんだっけ?
「あなたの下駄箱に入れておいたのですが」
あー!雲雀が破いてしまった手紙か。
「すみません。不慮の事故があって少ししか読めなかったです」
「まぁ、そうでしたの。悲しいですわ」
「あ、でも、お慕い申し上げますのところは読めました。書いてくれたの瑠美さんだったのですね」
まさか、恋文書いたのは瑠美さんだったとは。




