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四十三話

そのあと職員室を出て、先生に教えてもらった晃穂の家に向かった。

住所は神保町の外れだった。脳内検索しつつ向かう。

神保町は古本屋が軒を連ねている。昔から変わらない街だ。

興味深い本があると寄りたくなるので、極力見ないようにした。

住所はこの辺なのだが。家はない。古い店が立ち並んでいるだけだ。

よく見ると鳴宮研究所という一見小さな店舗みたいな建物があった。

ここかな?磨りガラスを開ける。

「ごめんください」

と言いつつ、中に入る。

「あ!今研究中だから入ってはダメだよ!」

白衣を着た女性に言われた。髪がボサボサで目元までかかっている。年齢不詳の人物だ。

「あれ?マコちゃん?マコちゃんかい?私リリーだよ!」

「え?リリーさんですか?」

ネットと随分違うな。私も人のこと言えないが。

「よく私のことがわかりましたね」

「マコちゃんのことならなんでもわかるよ。こっちでははじめまして。鳴宮百合子です。よろしく」

百合子でリリーなのか。なるほど。

「晃穂のお見舞いに来ました。具合はどうですか?」

「秋葉原商工会の人たちが応急処置してくれたので、元気は元気だよ。今最終チェックしてるところだよ」

ネットと違い、フレンドリーな人らしい。よかった。

「これ、つまらないものですが…」

途中で買ったお菓子の詰め合わせを渡した。今流行りのゲームのキャラの絵が描かれている箱に入っている。

秋葉原で買ったのでこんなのしかなかったのだ。

「ありがとう!秋葉原らしいお土産だね。ちょうど小腹がすいていたのだ」

リリー改め百合子さんは箱を開け、中のクッキーをおもむろに食べ始めた。

「晃穂に会えますか?」

百合子さんに聞いてみる。

「会えるけど。今最終チェックしてるから。見てビックリしないでよ。カーテンの向こうにいるよ」

私は仕切りになっているカーテンをめくり、中に入った。

「ひぃ!」

晃穂は手術台のような台の上に寝ている。しかし、首がとれていた。

首は天井から伸びている鉄のアームで宙に固定されていた。首からは数本のケーブルが伸びていて、パソコンに繋がっていた。

「あ!マコちゃん!来てくれたでありますか!」

なんと晃穂の首がしゃべった。

「なんかすごい久しぶりな気がしますな!」

私は腰が抜けそうなのを、どうにかこらえた。

「く、首とれてるけど、元気そうだね…」

「今最終チェックというか、晃穂の記憶データをバックアップしてるの。晃穂毎回傷だらけで帰ってくるから何があったのか記録しておかないとだから」

代わりに百合子さんが答えてくれた。

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