四十二話
翌朝、目が覚めた。よく眠れなかった。
「おはよう。松子ちゃん。朝食できてるよ」
「おはよう。雲雀」
雲雀はすでに制服に着替えていた。制服に白いエプロンをつけている。
雲雀に制服とエプロンはすごい似合っていた。可愛すぎる。
今朝の朝食はスクランブルエッグとサラダ、トーストもある。
雲雀は料理がうまくて助かる。
「いただきます」
「どうぞ。召し上がれ」
「美味しい?」
「うん、美味しいよ」
美味しくいただきました。
朝食を食べ、私も制服に着替え登校した。
雲雀も、もちろん一緒に登校する。
下駄箱を開けると、便箋が入っていた。開けてみると手紙が入っている。
(松子さん、お慕い申し上げます)
そんな一文が見えた。すると、後ろから覗き込んでいた雲雀が手紙をひったくり、ビリビリに破いてしまった。
「松子ちゃんにつく悪い虫は誰であろうと許さないよ!」
雲雀がヤンデレモードで言う。誰からの手紙かもわからなかった。
手紙をくれた人、気持ちは嬉しいが合掌。
「手紙ちょっとしか読めなかったよ」
「いいのそれで。松子ちゃん優しいから読むと情がわいちゃうでしょ」
それもそうかもだけど。せっかく書いた人に申し訳ない。
もやもやした気分で教室に向かった。
雲雀と別れ、自分の教室に入る。
晃穂は来てなかった。修理にまだまだかかるのか?
間もなくホームルームが始まった。
「おはよう、みんな。今日も鳴宮は休みか。休み多いな、あいつ。あと、澤口おめでとう!論文コンクールに出れることが決定したぞ」
先生が言う。一斉にみんなが私の方を向く。調子に乗るんじゃないぞ!とかガリ勉こけしとか、クラスメイト悪口が聞こえた。胃が痛いよ。
論文コンクールは、論文の成績がかなりいい生徒が出れるコンクールだ。ほとんど試験が論文しかないこの学校ではコンクールに出れるということは、成績優秀ということになる。
進学も推薦もらえるかな?と淡い期待をした。
だが、問題は各校の成績優秀者が集まるので、その前で論文を読まないといけないということだった。違う意味で胃が痛い。コミュ症の私にはつらい。
「放課後、詳しい話をするので職員室に来るように。忘れるなよ」
先生が言った。正直めんどくさい。
放課後になった。今日は授業はちゃんと受けた。ほとんど上の空だったが、出歩く気持ちにはならなかった。
職員室に向かう。
「失礼します」
職員室に入ると、先生がジャージ姿で椅子に座りくつろいでいた。ちなみに先生は女性である。口調も見た目も男みたいだが。もうひとつちなみにうちの学校は女子高だ。
「おっ、来たか澤口。論文コンクールだが…」
日時とか会場とか色々言われた。出場するのは確定済みなのか。
「先生、ひとついいですか?晃穂の住んでる住所とかわかります?」
関係ない話だが聞いてみた。晃穂のお見舞いに行こうと思ったのだ。
「知ってるが、個人情報だしなぁ。お前は鳴宮の友達だったか?お見舞いに行きたい?偉いな。ちょっと教頭先生に聞いてみるよ」
先生が奥の部屋に消えた。教頭がいるのだろうか?
「よし、許可が出たぞ。鳴宮の住所は…」
戻ってきた先生が晃穂の住所を教えてくれた。




