四十話
「晃穂!」
私は晃穂の元に駆け寄った。
「沖田さん!」
沖田さんの元には雲雀が駆け寄った。二人ともまだ起き上がらない。
「晃穂殿の腹部の傷もやばいでござるが、沖田殿の顎もヤバイでござるな。救護班出番でござるよ!」
どこからともなく、担架を持った人が現れた。手早く晃穂と沖田さんをそれぞれ乗せ足早に去っていく。
「二人は大丈夫なんですか?」
「アンドロイドはコアさえあれば大丈夫でござるよ。治すのにちょっと時間がかかるかもでござるが」
店員さんの言葉に少し安心した。
近藤さんと土方さんは、こちらを一瞥して帰っていった。恨まれてなければいいが。秋葉原商工会の人たちも帰っていく。
「マコちゃん殿、某もこれで帰るでござる。晃穂殿と沖田殿は我々秋葉原商工会が治すのでご安心を」
店員さんも帰ってしまった。残ったのは私と雲雀だけだった。
「松子ちゃん、帰ろうか?」
雲雀は泣いたのか目が赤く腫れていた。
「うん…」
私も泣きそうだったが、晃穂は何があっても大丈夫な気がした。
雲雀と手を繋いで帰った。手を繋いで秋葉原の街を歩くのは久しぶりだった。
何か話そうと思うが、何も浮かばない。
浮かばないというか、沖田さんは雲雀のことになると我を失うが、沖田さんは雲雀のことが好きなのだろうか?勝手な臆測だけど雲雀に聞いてみたい。いや、私が勝手に聞くのはお門違いだろう。
などと、色々考え込んでいたら雲雀がじっとこちらを見つめていた。
「松子ちゃんはあんな野蛮な晃穂のこと、まだ好きなの?」
「うん。好きというか、ほっとけなくて…」
「沖田さんのこと、あんなにして私は許せないよ」
雲雀は、かなり怒っているようだ。
「雲雀は沖田さんのことどう思っているの?」
私は思わず聞いてしまった。
「どうって?別に?いつもメイド喫茶に遊びに来てくれる常連さんだよ?いつも私の作ったオムレツ美味しそうに食べてくれるの」
雲雀は至極当然のように言った。沖田さん…。まぁ、私の勝手な臆測だし。
「雲雀。また、私の家に泊まっていく?」
「うん、泊まっていく…」
晃穂が大変な時になんで私はこんなことを言ったんだろう?
そもそも、晃穂が運ばれたとき、一緒に行ってあげればよかった。
でも、雲雀にそばにいてほしいと思う自分もいる。
優柔不断というか、感情をうまくコントロールできない。
家に着いた。さすがに前みたいにお風呂に一緒に入る気分ではなかった。
交代で入り、すぐにベッドに入った。二人一緒にベッドに入る。




