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三十六話

雲雀のスピーチは続いてる。

真撰組の羽織を着た大人が近づいてきた。

「はじめまして。真撰組隊長の近藤勇美と申す。あなたがマコちゃん君か?」

長い髪をオールバックにした端正な顔をした人物だ。男なのか女なのかわからなかった。

「はい。そうです」

「たまたま近藤という苗字なので、どうせ自警団やるなら新撰組にあやかって真撰組という名前にした。ただそれだけの真似事なんだよ」

「そうなんですか…」

いきなり、真撰組の由来を説明された。

「こっちのは副長の土方歳子。たまたまこいつも土方だな」

「よろしく土方だ」

長い黒髪が綺麗な人物だ。子がつくから女性なのか?厳めしく怖そうな人物だった。


「雲雀君のご学友だということなので挨拶しにきた。あと、毎日秋葉原の街に遊びに来てくれてるそうだね。自警団からも感謝するよ」

「いや、あの何も高い物は買ってないですよ?」

近藤さんから感謝され、私は恐縮してしまう。

「金額の問題ではないよ。君みたいな若い女性が安心して買い物できる街になったのが我々としても嬉しいのだよ。なぁ、沖田」

「はい!そうですね。近藤さん」

沖田さんもやってきた。

「昔は大変だった。アイドルテロリストもそうだがテロリストを鎮圧したあとも残党が多くてね」

「やっと平和になったと思ったら、雲雀殿がひどい目に会うとは…」

沖田さんは、ぐぬぬと悔しそうにしている。

「やったのは私でありますよ!」

それまで黙っていた晃穂が言った。

私と真撰組の面々がぎょっとして、晃穂を睨む。

「晃穂!やはり貴様が下手人か!成敗してくれる!」

沖田さんが激昂して言った。抜刀しそうな勢いだ。


「沖田!落ち着け!ここは祝いの席だぞ!」

近藤さんが沖田さんを嗜める。

「しかし、近藤さん!黙って見過ごすわけには!」

「なら、こうしよう。決闘の場をもうける。明日亥の刻に秋葉原公園にて待っているぞ晃穂君とやら」

「逃げようなどと思わないことだ」

近藤さんが提案し、沖田さんが晃穂を睨みつける。

とんでもないことになった。


そのあと、雲雀の快気祝いは終わった。

私たちは雲雀に別れの挨拶をして帰った。ずっと真撰組の面々が睨んできたのは言うまでもない。

「なんであんなこと言ったの!マジでヤバイよ!」

帰り道で晃穂に聞いてみた。

「もっと強いやつと戦いたいからであります!」

そんな理由で沖田さんと戦うことになったのか?

「沖田さんはかなり強いと思うよ?」

「わかっているであります!今から武者震いがするであります!」

晃穂はやる気満々だった。

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