三十話
「雲雀殿の容態はどうですか?」
一人の少女が雲雀の容態を聞いてきた。
「沖田殿、お勤めご苦労様でござる。雲雀殿の火傷はひどいでござるがコアは無事ゆえ命に別状はないでござるよ」
「はぁ、よかった。しかし、雲雀殿にこんなひどいことをしたのはどこの誰だか…」
少女が安堵している。しかし、この少女奇抜な格好をしている。金色に近い茶褐色の髪をポニーテールにして水色の法被のような物を着ている。腰には日本刀を下げていた。
要は新撰組のような格好をしている。
「マコちゃん殿は沖田殿と初対面でござるか?」
私は頷いた。
「私は真撰組一番隊隊長沖田司です!以後お見知りおきを」
真撰組?なんで?新撰組みたいな組織があるんだ?
「秋葉原でテロが相次いだときに秋葉原商工会は自警団を作ったでござるよ。彼女は自警団の最強の剣士、沖田司殿でござるよ」
店員さんが説明してくれた。自警団なんてあるのか?
「私は元々野良アンドロイドだったのですが、ここ秋葉原でいろんな人に世話になりました。特に雲雀殿は倒れていた私を介抱してくれて美味しいご飯までご馳走になったのですよ。その恩を少しでも返したいと自警団をやっておりまする」
と、沖田さんは説明した。野良アンドロイドなんているのか?何か頭が追い付かない。
「雲雀殿は秋葉原でメイドをやっているでござる。結構な人気者でござるよ。しかも彼女は料理もうまい!」
「雲雀殿の料理は絶品ですなぁ!雲雀殿を傷つける者は許さないですよ!」
雲雀がメイド!?初めて聞いた。店員さんと沖田さんは雲雀を誉めちぎっている。
「お?マコちゃんやはりここにいたのですか?学校にいないからここかなと」
後ろから晃穂の声がした。見ると松葉杖をついている。
「晃穂!大丈夫なの?」
「休もうかと思いましたがどうにか歩けるので学校に行ったでありますよ。見ての通り、昨日の雲雀さんとの一戦でまだ間接がうまくついてないでありますが」
あ、今余計なことを言わせてしまった。
「今聞き捨てならないことを言ったな。そこの女。雲雀殿と一戦?どういうことだ?ことと次第によっては容赦せぬぞ!」
沖田さんはものすごい殺気を纏いながらそう言った。
「どういうことも何も。かくかくしかじか」
晃穂は昨日のことを全部話してしまった。
「貴様が下手人か!?そこに直れ!」
沖田さんは抜刀して晃穂に斬りかかった!
「うわぁ!一体なんでありますか!?」
晃穂はびっくり仰天している。沖田さんは日本刀を斬るというより突く感じで晃穂に迫った!牙突の構えである。目に止まらぬ速さであった。




