表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/144

二十六話

そのあと数日がたち、あっという間に日曜日の夜になった。

電車に乗り上野公園に向かう。

上野公園は緑化計画によって、以前よりも広大な森になっていた。

春は桜が咲き乱れ、例年通り人でごった返すが春を過ぎると閑散とししている。ましてや、夜ともなると滅多に人はよりつかなかった。

「ピギャーーーー!」

得体の知れない鳥が、けたたましい鳴き声をあげるばかりでひとっこ一人いない。

「しかし、マコちゃん。雲雀さんは日曜日夜とまたアバウトな時間を指定しましたなぁ?しかもこの広大な森ですよ?我々の居場所がわかるのですかね?」

晃穂がもっともなことを言う。上野公園の場所も指定されていない。

スマホで連絡してみるか?と思った瞬間!

「ピギャーーーー!!」

とんでもなくでかい鳥が私達の頭上すれすれを飛んでいった。人間ぐらいでかいぞ?

鳥は空中を旋回して、なんと私達の近くに降り立った。

いや、あれは鳥なんかじゃない。人間だ。人間の両腕から半透明な白銀の翼が生えている。

異様な光景に私は腰が抜けそうになった。


「こんばんは。松子ちゃん。晃穂。晃穂だけ呼んだつもりが松子ちゃんも来たんだね」

鳥人間?が私のよく知っている声で言った。

「雲雀ちゃんなの!?」

「そうだよ?松子ちゃん。びっくりした?私はアンドロイドなの。空を飛べるように改造されたアンドロイド。作られた人形だよ」

雲雀は泣き笑いのような悲しい顔で言った。

「え?雲雀ちゃんがアンドロイド?でも私達幼なじみだよね?小学生から一緒だったよね?」

「やっぱり松子ちゃん覚えてないんだね」

「何を!?雲雀ちゃんずっと一緒だったじゃない?」

「本当の私、人間の雲雀は10年前のアイドルテロリストのゲリラライブに巻き込まれ死んだ。雲雀の両親は嘆き悲しんだ。雲雀の死んだ場所、秋葉原の中央通りに毎日通って泣いていたそうよ。その様子を見ていた秋葉原商工会の人たちがお金を出しあって私、アンドロイドの雲雀を作ってくれたの」

「そうだったの?」

私は愕然とした。10年前に雲雀は亡くなっていたなんて。

「それだけじゃない。雲雀が亡くなったとき、そばには松子ちゃんもいたんだよ。目の前で親友が亡くなったショックでその時の記憶がないらしいけど」

そんな…。私がその場にいたなんて。全然覚えてない。

「私は過去の雲雀を知らない。でも雲雀の両親は私を実の娘のように育ててくれた。商工会の人たちもすごく優しいし、何より松子ちゃん、松子ちゃんは私の初めてできた友達だよ!松子ちゃんは私だけの親友なの!それを誰だか知らないアンドロイドに取られるなんて許せない!私と松子ちゃんの仲を邪魔するやつなんて消えてしまえばいい!」

雲雀は一気にそう言うと晃穂をものすごい目付きで睨み付けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ