百十七話
「今こそ覚醒の時だ!さぁ同志よ立ち上がれ!この世を煉獄の炎で燃やし尽くせー!」
秋葉原の街に不穏な叫びが木霊する。
「共鳴せよ!我ら運命の裁断者!今こそ解き放たん!煉獄の鎮魂曲…!」
アイドルテロリスト、マリア・タチバナは旗を掲げて高らかに謳い、秋葉原中央通りを練り歩いた。
「うぉおおおおおおお!!!」
「マリア・タチバナ万歳ーーーー!!」
「マリア姐さんが帰って着たぞーーー!!」
秋葉原に潜伏していたアイドルテロリスト、マリア・タチバナの親衛隊が続々集まってきた。
「マイ同志達よ!俺はこの地に帰ってきた!苦節10年…。待たせたな!野郎共!今日はその憤懣たる忸怩たる思いを解き放とうではないか!!!」
マリアは高らかに宣言した。
「マリアーーーー!!!」
「この時をどれだけ待ちわびたことか!?」
「マリア!マリア!マリア!マリア!」
親衛隊がマリアの名を連呼した。
親衛隊の数はどんどん増えた。親衛隊を引き連れ大軍の将のようになったマリア。
「なんなんでありますか!?あの歌は!?」
真撰組の事務所で昼飯を食べていた晃穂は、吃驚して椅子から立ち上がった。
箸とご飯は持ったままである。
「あ、あれはアイドルテロリストの歌じゃないですか!?ついにアイドルテロリストがこの街に来たんですよ!」
沖田さんも同時に立ち上がり叫んだ。
「沖田!真撰組出動だ!」
土方さんも叫んだ。
「わかりました!出動します!しかし、近藤さんと合流できませんが…」
「致し方ない。それにアイドルテロリストの相手をできるのは沖田、お前しかいないんだぞ!それに晃穂!お前は前に言った通り、スマートブレーン社に行き、親友を助けてこい!わかったな!」
土方さんは晃穂にも的確に命令した。
「土方さん…。わかりましたであります!」
晃穂1人でスマートブレーン社に行けと言っていた土方さんだが、晃穂の心情を汲んでの命令だったのだろう。そのことがわかった晃穂であった…。
「私は晃穂を抱えて、空からスマートブレーン社に乗り込みます!」
雲雀が勇敢に言った。
「空から行くか。雲雀殿は見かけによらず頼もしいな。俺は隊士を集めアイドルテロリストの親衛隊の相手をする。沖田はアイドルテロリストだけを狙えばいい…」
「了解しました!副隊長殿!」
沖田さんが畏まって言った。
「よし!各自散開せよ!真撰組出動!我らに勝機あり!!」
土方さんの号令で、沖田さんはドアを開け、階段を駆け下りた。
雲雀は晃穂を抱え、窓から羽ばたいて空を飛んだ。




