九十九話
「さて、戯れはここまでじゃ。本題に入るかの…」
金造は真面目な顔をして言った。
土方さんはやれやれと首を横に振っている。
「超法規的措置で海外に逃亡していたアイドルテロリストが、日本に戻るというのは知っているな?そこでじゃ、真撰組に入った晃穂くんにはそれ相応のクラスを与えようと思うのじゃ…」
沖田さんも、はぁとため息をついている。どうやら真面目な雰囲気ではない。
「真撰組という名前だが、言わば西洋風で言えばギルドみたいなもの。聞けば晃穂くんは沖田くんと互角の強さだという。ものすごい強さなんじゃろ?」
「いやぁ、それほどでもあります!」
晃穂はドヤ顔で答えた。
「晃穂くんは徒手空拳で沖田くんと渡り合ったとか!すごいのう。そうじゃのう、クラスはモンクかグラップラーと言ったところか?どうじゃ?かっこいいじゃろ!?」
「おぉ!?グラップラー!かっこいい響きであります!強そうであります!」
「グラップラーは何かとやばいのではないですか?金造さん…」
沖田さんが困った顔で言った。
「そうか?ならデストロイヤーとかどうじゃ?破壊者だぞ?かっこいいじゃろう?」
「デストロイヤー晃穂!でありますか?いいであります!」
なんだか不穏な通り名になった晃穂。
「ちなみに私はソードダンサー沖田と命名されました…」
「沖田くんの剣筋は、かなり速いからなぁ。まさに踊るが如し。流麗な剣技じゃのう!」
ソードダンサー沖田…。なんとも言えない通り名だ。
「金造さん、意味のないクラス名つけるのは、その辺でやめていただきたい…」
土方さんも呆れ顔だ…。
「なんじゃと!意味がないとは何事じゃっ?かっこいいクラス名があればやる気が俄然湧くじゃろうて?アイドルテロリストなぞ、恐るるに足りんではないか!?」
なんとクラス名に意味などなかった…。
だから真撰組の人たちは微妙な顔をしていたのだ。
「意味がなかったのでありますか?がっかりであります…」
晃穂も肩を落とした。
「まぁ、そんな顔をするでない。アイドルテロリストはもう飛行機に乗り、日本に向かってる最中という情報が入ってきたのじゃ!気を引き締めないといけないじゃろう」
「もうこちらに向かっているのですか!?」
三人に緊張が走った。




