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プロローグ


東京都のとある郊外の下町、ある民家から一人の女子高生が元気に飛び出してきた。

染めてるのか、地毛なのか、茶髪というより栗色の髪の毛をサイドテールに結び、駆けるたびにサイドテールが跳ね上がる。少女の名は、鳴宮晃穂。紺色のブレザーの制服に朱色のリボン。同じ紺色と淡い青色のチェックのミニスカートをはいている。

スカートからは色白の長い足が延び上がり、懸命に走っていた。


そんなに走ると危ないと思うが。

彼女が曲がり角を曲がり、交差点に出た瞬間、一台の大型ダンプカーが猛スピードで走ってきた!

案の定、ダンプカーは少女を轢いてしまう。


少女の体と同じぐらいの巨大なタイヤに巻き込まれ、少女の色白の長い足は無惨に折れ、粉々に砕け散った。

手も体も同じように巻き込まれ、嫌な音をたてバラバラに砕け散る。



少女は悲鳴をあげる暇もなく、体はぼろ雑巾のようになった。

ダンプカーの運転中は舌打ちして、少女の残骸を一瞥したが、すぐに走り去ってしまった。

なんという無慈悲な光景。なんという残酷な日常。ニュースになれば、よくある交通事故のニュースになるだろうが。

今まで少女の一部だったもの。少女の生首が無表情に虚空を見つめていた…。


少女の16年の人生とは、なんだったのだろうか?

答える者は当然いない。

事故に遭わなければ、そのまま学校に通い、友達に会って挨拶をし、授業を受け、放課後になり、部活をして下校し、帰宅するという日常をくりかえしていただろう。

少女の生首は意識があるのかないのか、人生の走馬灯を夢想しているのか、ずっと無表情のままだった。

ただ不思議なのは、少女の生首は一辺の血もついてないことだった。

それは、少女の死を悼んだ神の仕業か、はたまた悪魔の悪戯か?


ただただ少女の栗色の髪の毛を風が優しく撫でていくだけであった…。








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