6話
さて、棚上げにしていたログアウトの件だがこいつを見て1つの案を思いついた。そう! 龍の姿になって飛べばいいんだよ。なんで、もっと早く思いつかなかったんだろう。
ただ、この案には1つ大きなデメリットがある。それは、目立つということだ。そのため、もし見られでもすればえらいことになる。少なくとも当分はここら一帯がPCとNPCに監視されることだろう。
だが、背に腹はかえられん。
「【龍人化】解除。」
たちまち体が大きくなり、辺りの木々をなぎ倒す。そして、翼を広げると倒した木々が吹き飛んでいく。あ、ドラゴンもどきも吹き飛ばしちまったみたいだ。すまん、ドラゴンもどき。
「キュ〜〜。」
あ、自力で戻ってきた。そして、俺の頭に乗る。いや、なんでさも当たり前のように乗っかってんだよ。別にいいけどよ。では、飛んでみますか。
バサッ、バサッ、バサッ
さっきの比じゃないぐらい物が舞う。
おお〜、これが空を飛ぶ感覚か。
さて、町はどの辺にあるのか。
お!たぶんあそこだな。結構離れてしまったようだが。このまま行くわけにもいかんし、辿りつけるか心配だ。ちょいと道を作っとくか。
ていっ
俺は尻尾で町の方向にある木をなぎ倒す。
ザザーンッ!!
よし、綺麗に倒れたな。これで安心できる。では、
「【龍人化】、【偽装】発動。」
結構、時間がかかっちまったがちゃんと町に戻れそうだ。
「キュ〜、キュ、キュ。」
いきなり人型に戻ったからか、ドラゴンもどきが何かを訴えてくる。
ん〜、ドラゴンもどきってのも呼びにくいな。よし、勝手に名前をつけてやろう。
さて、どんな名前にしてやろうか。
「よし、決めた。お前の名前は今日から『シロ』だ!」
「キュキュ!」
安直な名前だが気に入ってもらえたみたいだ。
「......モンスターへの命名を確認。諸条件を満たしたので個体名『シロ』のテイムに成功しました。テイムについてはヘルプでご確認下さい。」
何かアナウンスが流れたな。
どうやら『シロ』が俺のテイムモンスターになったようだ。一応、ヘルプを確認しとこう。
何々、「テイムとは、モンスターごとに設定された条件を満たし、命名を行うことでそのモンスターを仲間にすることである。テイムモンスターはパーティーメンバーの1人として数えられるが、専用のアイテムがあればストレージで管理することもできる。なお、主人はテイムモンスターのステイタスを閲覧することができる。」だそうだ。では、早速確認しとこう。
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シロ 女 聖龍(幼生)
基本レベル:1
状態:テイム
〔STR:100〕
〔INT:1500〕
〔VIT:2500〕
〔AGI:500〕
〔DEX:500〕
〔LUK:75(固定)〕
[スキル]
【看破 Lv:5】【魔力操作 Lv:5】
【魔力感知 Lv:5】
【光属性魔法 Lv:10】
[種族スキル]
【聖龍の吐息(弱) Lv:ー】
【飛龍 Lv:ー】
(【龍人化 Lv:ー】)使用不可
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ちょ、待て。聖龍?
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[聖龍]
強大な力を持つ聖なる龍。
普段は山奥や浮遊島で生活している。穏やかな性格だと思われがちだが、実は争いを好む性格をしている。
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うわぁ、こいつ龍だったのか。それも俺の間逆っぽい聖龍とか。どう見ても空飛ぶ白いトカゲなのにな。
ステイタスは防御特化で次点で魔法って感じだな。
てか、VIT俺より高いぞ。
知らないスキルも確認しとこう。
【光属性魔法 Lv:10】
アクティブスキル
光属性の魔法が使えるようになる。
スキルレベルが高くなるほど使える魔法が多くなる。
Lv:1 【ヒール】
Lv:5【ライトアロー】
Lv:10【キュア】
【聖龍の吐息(弱) Lv:ー】
アクティブスキル
敵全体にINT値+VIT値の4分の1の固定ダメージと味方全体のHPを25%回復する。
このブレス弱体化してこの性能とか強すぎだろ。
さて、確認は終わったし、さっさと町に戻りますか。