火を纏う少女
あれから一週間が経ち、大分朝練を行う毎日にも慣れてきた。現在朝5時半の休日。俺はというと、
「うおおおおおおおお!!!」
「雅人様、頑張ってください」
俺は左腕だけフェルを展開して、フェルの必殺技でもある破滅の篭手のチャージ速度を上げる修行をしていた。
だが結果は少しずつ出ているがこれといった成長は見られなかった。
「雅人様。休憩のお時間です」
「おう」
フェルは俺に水が入ったペットボトルを手渡してくる。
「サンキュー。フェル」
ごくごくと飲んでいると誰かが家のチャイムを鳴らしていた。
「誰だろう?こんな時間に」
「雅人様、私が見てきます」
現在家の庭で修行している。フェルは羽を収納して、玄関へ向かう。
あれからフェルティスが来て、家族は何も言わずに迎えてくれた。瑞希なんかお姉ちゃんができた!とか言ってたし。
「雅人様、お客様です」
「客?」
フェルの後ろには見たことのある女の子が目に入った。
「お、おはようございます。神無月さん」
「お、レイシアか、おはよう。今日はどうしたの?」
もじもじするレイシア。あれ、凄い可愛くね?
「あの、神無月さんが一人で修行していると聞いて、差し入れを持ってきましてよかったらどうですか?」
「ありがとう。頂くよ・・・。それと呼ぶときは雅人でいいからな?」
「は、はい!えーっと雅人さん?」
何故最近会う子は俺を呼び捨てにしないんだろうか。