プロローグ
処女作です、アドバイス、感想お願いします
「思い出して‼」
また同じ内容の夢だった。俺は成瀬拓
小さい女の子から「思い出して」と何度も言われるのだ。
俺は寝起きの重い体を引きずり窓を見る。今日も世田谷は雨らしい。
リビングに行くと1000円札と父の書置きがあった。
[今日は遅くなる、晩飯ちゃんと食えよ]
父とはいつもこんな感じだ。なんとなくよそよそしさを感じる。
母と妹が他界してからだろうか。父の笑顔ももう何年も見ていない気がする。
朝ごはんのトーストを食べ終えた俺は家を出て鍵を閉めた。
通学路の道は同じ制服であふれかえっている。
朝から恋について語る女子生徒。好きなアイドルの話で盛り上がる男子生徒。本当にくだらない。
こいつらいっそ居なくなればいい。頭の中で見えない銃の引き金に指をかけ狙いを定めた。
「たっくんおはよう!」
弾丸は外れた。幼馴染の声によって。
「なんだ、春野かよ」
「たっくんひどーい!さっちゃんって言ってよぉ」
「善処します」
「もう、たっくんは相変わらずなんだから…あっ ひまちゃんだ!それじゃあまたね!」
朝から元気だ。彼女の名前は春野さくら。
さっきも言ったが俺の幼馴染だ。特徴は特に無いが誰にでも親切で明るい元気だと周りからは言われている。
今日も変わらない1日が始まる。
だが、変わらない日も今日が最後だった。