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停滞の賢者  作者: 楯川けんいち
病患の王国編
1/76

名も知らぬ冒険者の話

初投稿。

 魔の森の奥深くにいる賢者(けんじゃ)の話は知っているかい?


 そう、あの賢者さ。

 この歴史の始まりからあり続けているとか、時代の節目に現れるとか、世界の守護者なんて様々に言われている。

 

 驚かないで聞いてくれよ。

 

 そんな、おとぎ話や伝説にいわれる賢者は本当に実在する。

 

 おいおい、法螺(ほら)でもなければ気がふれたわけでもないぞ。

 俺の故郷は、()の森の目と鼻の先にある小さな町なんだがな。

 そこでは数年に一度、不思議なことが起こる。


 凶暴な魔獣がたんまりといる魔の森は、魔獣の繁殖期や勢力争いなどが起こると押し出されるようにして数えられないほどの魔獣が人里に襲いかかるんだ。

 そんなところによく住みつけるって?

 これが、安全という点では城壁に囲まれた町よりもずっと安全なんだ。

 なぜかっていうと、国が総力を挙げても張れないほどの障壁(しょうへき)が町を囲ってるんだ。

 それを調べにいろいろな国の宮廷魔術師だの錬金術師だのが来るんだが、全員(さじ)を投げちまうのさ。


 「これは、伝説というのも生易(なまやさ)しいほどの魔術だ」ってな。


 この障壁なんだが、町がまだ村だった頃から長をやっていた一族に伝わる言い伝えがある。

 なんでも、さっき言ったような魔獣の大襲撃のときにふらりと現れた男が、村が危険な状況にあるということを知るや否や張り上げたらしい。

 そして一夜明けた後、男は魔の森へと姿を消した。


 最後に、魔の森に何用で入るのかと当時の長が聞いたら「帰り(みち)の途中」だと言ったそうだ。


 そんで、その伝説的な障壁は長く経った今でもそこにある。

 そんなもんだから、ありえないような障壁を張る挙句、魔の森に住むらしいあの男は伝説にいわれる賢者様なのではっていうわけだ。


 それだけじゃ賢者だとはわからないって?

 まだ、不思議なことは話してないだろ。これからが本番さ。


 そう数年に一度、それがいつ起こるかはわからないし前触れもないんだが。

 突然、町のそばに魔獣の死体の山が現れるんだ。

 文字通り、山だ。こんもりと家を二、三軒は縦に積んだくらいの山が三から五ほどの数な。

 そんで『処理はご自由に』と書かれた看板がその山の前に刺さってるんだ。


 冗談じゃあない、現実の話だ。


 その山の中から、一体現れるだけで国が混乱の極みに突き落とされるような魔獣なんかもごろごろと出てくる。

 笑いたくなるが、笑えないほどの事実だ。


 そんで、誰がそんなことするのか? これが問題だ。

 妖精のいたずらっていうには規模が大きすぎるし、定期的すぎる。

 なにしろ、看板だ。

 廃れた古めかしい字体で書かれているもんだから、長老衆(ちょうろうしゅう)の一部しか読めないんだ。

 こんなことができる上に、書く文字がとんでもなく古い。


 これは、賢者の御業(みわざ)に違いないというのが代々の結論だ。


 そんで俺もそれを信じている。

 あれを行えるのは普通じゃない、正しく伝説の所業であるべきものさ。

 


誰だ、こいつ…

ストーリーには絡まない町人Aです。

タイトル通り私も名前を知りません。

主人公はちゃんと次からでます。

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