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2.恐怖の始まり
しばらくして、ふと子供の声が聞こえなくなった。はぁ、良かった……と安心したのも束の間、今度は身体から何かが抜き取られるような感覚に襲われた。それは先程まで子供の声が聞こえてきた方向へと抜き取られる感覚だった。
ヤバイ、魂を抜き取られる……!
本能的にそう感じた私は、魂を抜き取られまいと必死に意識を保ち抵抗した。
何かが抜き取られるような感覚は数度に渡ってあった。その度に私は意識を保って抵抗した。
何度目かの攻防をし、ようやく終わったか……と思っていたら、今度は掛け布団に直接“何か”が触れてきた。
私はちょうど掛け布団を頭まで被っていたので掛け布団に触れてきているものの正体を見ずに済んだが、危機が去った訳ではない。正直、怖すぎて心臓がバクバクしている。
触れてきた“何か”は、何かを探すように掛け布団に触れてくる。そして“何か”は段々と私の首元へと近付いてきた。
今度は直接殺しに来た…… !?
そう思った私は首を守るように両手で首を覆った。すると“何か”は執拗に首を狙うようになった。