1.眠れない夜の始まり
ある日の夜、なかなか寝付けない私は何度目かの寝返りをうった。
今日はホントに寝付きが悪い。そうだ、久しぶりに今書いている長編以外のお話でも想像しよう。
私はいつも寝付きが悪い時、お話を想像していつの間にか眠りにつくことがあるので、今夜もそうして眠気が来るのを待つことにした。
どんな展開にしようか。そうだ、たまには裏切りとかあるブラックな話にしてみよう。
カクンッ……
おっと、いつの間にか意識がなくなり顎の締まりがなくなって一気に口が空いてしまったよ。今の振動で目が覚めてしまったからまた眠気が来るまで話の展開を考えよう。
私は口を閉じ、再びお話の展開を考え始めた。
……あれ、どこまで話の展開を考えてたんだっけ? またいつの間にか意識が飛んでたのに目が覚めてしまったよ。しょうがない、また話の続きを考えよう。
私は再びお話の展開を考え始めた。しかしその時、頭の方から小さな子供が「キャッ、キャッ」と喜び、跳び跳ねている音が聞こえてきた。
ちょっと待った! こんな時間にこんな近くで子供の声が聞こえるなんてありえない! まさか子供の幽霊…… !?
私は怖くなり心の中で早く去ってくれと願った。しかしその願いは通じず、子供の声はさらに近付き、頭のすぐそばから声が聞こえるほどまで近付いてきた。