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ポスター・レポート

『子猫の写真が撮れたので、送ります』

 トラウラヨーコから届いたメールの添付画像を見て、ササキはため息をついた。

 仕事だからと割り切る気持ちはあるものの、ササキは予想がはずれることを期待していた。

 灰色の毛並み無毛に近いシワのある皮膚。スフィンクスには良くある特徴だ。

 しかし、銀色に光る瞳と目の形がかつてササキが宇宙生物研究所で見た個体によく似ていた。

 この子猫は宇宙生物の可能性が高い。どうにかして実際に接触し、確認しなければならない。

 ササキはまたヨーコと話さなければならないのか、と憂うつな気分になった。

(しかも言動からして、トラウラはかなりこの宇宙生物を気に入っているようだった)

 ヨーコと比較的仲が良いから、こうして早期発見出来ているのだが、だからこそどういう心情かわかってしまう。

 ササキはポスターを作成する。

『猫保護しています。お心当たりの方はこちらまで』

(もとの飼い主を作り上げ、トラウラが知らないうちに回収する。気がすすまないが仕方がないだろう)

 ササキは本来の仕事をするためにレポート用紙を引っ張り出した。国家いや、世界機密とも考えられる情報を気軽にメールで報告するわけにはいかない。

『宇宙生物についての報告  宇宙生物対策部 佐々木』

 報告書をかきあげたササキはポスターのコピーをつけて封筒に入れる。厳重にし、信用のおけるバイク便に託した。


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